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リラックス

随分前のことですが、ある30代の女性の方の施術をしたことがあります。
第一回目の施術を終え、まあ、それなりに良い施術が出来たと満足しておりました。

二回目の施術。この女性の方、絶賛の嵐。
「今まで色んな施術を受けてきましたが、これほど身体が楽になった記憶がありません。翌日は絶好調でしたし、それがかなり長い間続いていました。先生!凄いです!ゴットハンド!ゴールドフィンガー!魔法の手!!」

施術家として悪い気はしませんね。話半分に聞いても相当な満足感があったわけです。

さて三回目。この方、かなりハッキリものを言うタイプなので、どうでしたか?と問いました。

すると「一回目の施術で感じた解放感がありませんでした。なんか普通の感じです。身体が楽になった感じもしませんでした」

さて、何故でしょう?
二回目の施術と一回目の施術が違った?
つまり手を抜いた?
ノー、ノー!です。施術自体は全く違いがありません。
じゃ何?

実は一つ違いがあったんです。

一回目の施術はこの方、とてもリラックスしていてほとんど何も喋らず、されるがままに受療されていたのが、二回目の施術は慣れがあったのとボクに伝えたかったのでしょう、一回目の施術が如何に良かったかを。そこから、ドンドン発展してほとんど世間話みたいになってしまいました。終わってみれば、施術の間中、喋っておりました。

(まずいなぁ)とは思いながらも、「ちょっと黙ってて!」と言うわけにもいかず、内心、困っていたのですよ。

全く同じようなケースが過去三度ほどありましてね、心配はしていたのです。
まあ、施術中に色んなことを喋って、それでストレスを解消するタイプの人もいますので一概にそれがダメだとも言えないのですが、施術自体の効果はかなり減衰してしまいます。

よく「寝てしまうと効果が半減する」と言われておりますが、クライアントが喋りながらの施術は半減どころではありません。おそらく五分の一くらいになってしまうでしょう。
(寝てしまうと効果が半減するという説には同意できません。施術のあり方の問題です)

健康時には分かりませんが、喋るというのは結構エネルギーを消費します。そもそも言語中枢が働かねばならないので脳が休まりません。脳はエネルギー消費ナンバーワンの器官です。声帯も使いますし、呼吸筋も使います。

だから、ホントの病人は弱弱しい声でしか話せないのです。
声を聞けばその人の元気度が分かるというくらいですからね。

エネルギーをインプットする毎に消費してしまえば、ザルに水を溜めようとするみたいなもんですよ。(参ったなぁ)です。

気の弱い小生としては中々途中で遮ることができないので、プレカウンセリングのときに言うようにしています。

それで大概は黙って施術を受けてくれるのですが、中にはこういう方もいて、困るわけです。

この問題は実に難しい問題を孕んでおります。
施術家としてはその人のことを知りたい、という欲求があるわけでしょ。

知れば知るほど、適切な処置が出来るという側面もあるのでね。
しかし、施術自体の効果を犠牲にしなければなりません。

別枠でカウンセリングの時間を長く取るというのは、時間が押してしまい、事実上不可能かと思われます。

さて、どっちを取るか?
ボクは施術効果のほうを取るタイプです。

っていうか、施術自体に集中力が要求されますので、相槌を打つだけで集中力が乱されてしまい疲れてしまうわけ。

そんなに集中して疲れない?とよく言われますが、全く逆。
集中力の極限に達したとき、多分、脳波計があればミッドα波が出ているのが検出されるはずです。

ある種の瞑想状態に近い感じなります。すると自身の身体が軽くなり、至福感にさえ包まれます。自分がリラックスせずしてクライアントがリラックスできるはずもないので、こういう感じの施術を全編通じてやりたいのですが、未だ修行が足りません。

途中で集中力が途切れてしまい、罪悪感を感じること度々ですから、ましてや、相槌を打ったり、相手の話に乗ったりすると、全くリラックスできないわけですよ。

施術効果の減衰だけではなく、自身の健康にも悪い。

結局、施術というのは相手と一体となるほど集中して、その結果、完全なリラックス感が自身に再現されることを言うのだと思います。

これ以上のことは自分には出来ない、と自信を持って言えるレベルまでいくことが目標にはなるのですが、いかなる場合もその状態にスンナリと入っていける、となると、まあ、いつのことになるやら。

寿命が300歳くらいまであるなら、250歳くらいで到達するのかもしれません。

ですので、なるべく集中しやすい環境を作るというのも一つの方法なのですが、あまり恵まれた環境にありますと、ちょっとした物音でも集中できない体質になってしまうので、難しいところではあります。

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