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チャングムⅡ

相思病

ドラマをご覧になっていた方はご存知なのでしょう。
小生、浅学にしてこのような証があるとは知りませんでした。
まずは小説のくだりを抜書きします。
ちょっと読んでみてください。

「殿下、恐れながら申し上げます。“思即気結”とは即ち、思いが過ぎれば気が減り固まり、循環が悪くなるという意味です。特に思いが過ぎると消化が悪くなり、食べ物を見ても食欲が湧かず、感覚と感情の全てを一人の人間にのみ、向けることになります。それが酷くなると、目はうつろになり、歩いていてもつまずくことが多くなり、腑抜けのようになってしまうこともあります」

「話を続けてくれ。これまで寡人(私)の胃腸病を正しく見立てた医員や医女はおらず、歯がゆかったのだ。チャングムが来てくれて幸いだ。遠慮なく寡人の気掛かりを解いてくれ」

「分かりました。相思病にもっとも効く治療法は、胸に結ぼれた気を解いてやることです。心と脾の臓に鬱滞している精気を解きほぐし、循環を正常に戻してやるのです。簡便な治療法として、殿下に強い衝撃を与える方法がありますが、これははなはだ不敬であり、正式な処方とは申せませんので、煎薬と黄土銀球丸(おうどぎんきゅうがん)で治療を施せばよろしいでしょう」

「黄土銀球丸?初めて聞く薬剤だが、どんなものだ?」

「黄土、つまり黄色くて細かな、食すこともできる土で小さな丸薬を作り、その上に銀を載せてよく乾かしたものを服用します。相思病に良い効果があります」

さて、背景を言えば、中宗という新国王(後にチャングムを寵愛する人柄の良い王)と謁見した際に一発で国王の病態を見抜いたわけです。それが相思病なのでした。
チャングムが説明している通りです。
国王は愛していた妃を政治的な問題で追放しなければなりませんでした。そのことがいつも頭にあり、チャングムのいう「感覚と感情の全てを一人の人間にのみ、向けることになります」状態が続いていたわけです。

こういう状態というのは愛する者との別れ(生別、死別問わず)があるときに生じやすいものです。
また恋患(こいわずらい)や失恋でも起きるでしょう。
ナント!東洋医学は失恋でも恋わずらいでもそのような状態に陥ったなら、病気と見なすのです。そして治療法があるわけですよ。
あ~小生も若かりし頃、失恋で酷く食欲を失い、腑抜けになったことがあるのですが、そのとき「黄土銀球丸」を知っていればなぁ~。
(日本では売ってないでしょうね。食べられる黄色い土の上に銀を載せるんですよ!)
(狼男は服用できない処方だし)

なるほど相思病とはよく言ったものですね!
相手を思い過ぎる病なのですから。

続いて、下線部に注目してください。
簡便な方法として、殿下に強い衝撃を与える方法・・とあります。
これ以降、小説ではそのことに触れていません。黄土銀球丸以外で簡便な方法があるって言っているわけです。これは知りたいですね。
小生の推測に過ぎませんが、二つの可能性があるのではないか・・・と。
一つはヘンセキと言われる瀉血法。
ヘンセキは滞った悪血を直接メスのようなもので傷つけ、血を出して取り去る方法です。
玉体から血を出だすというのははなはだ不敬な話でもありますので、この表現にも合致します。
もう一つの可能性は、術者が国王の背骨に膝を当て、喝!!と言って気合を入れる方法です(よく武道で失神した者を目覚めさせるのにやるでしょ)
これも玉体に対して行うには不敬な方法です。

さて、どちらが可能性として高いでしょうか?
正しい処方ではない、という表現も出てきます。このことも考慮にいれれば、ヘンセキは中医学の中では柱の一つです。これを不敬であると言えても、正しい処方ではない、と言えるかどうか・・・
また精気の鬱滞のことを主に述べていますので、ここに悪血除去の方法論の入る余地があるかどうかの疑問も残ります。
では喝!!の方はどうか?
心と脾の反応部位はまさに胸椎にありますから、この方法かもしれません。
後でまた例を出しますが、当時、すでに手技や体術は医の中では非常に低い役割しか与えられていません。ですから正式な処方ではないという表現にも合致します。

Photo
ふ~む、どうやら、整体的な方法論を言っているような公算が強いですね。
憎たらしいチャングムめ!チャングムめ!
(今度読んだらイジメてやる!)

ということで次回はチャングムの手技法観について述べたいと思います。

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コメント

チャングムは放映されるたびに必ず観てました。韓国ドラマは色々と観ましたが、これより面白いと思うものには出会えません。
 そんなチャングムもびっくりの美味しさだった「つぶの塩辛」、教えていただき本当にありがとうございました。つぶが美味しいのかダーリンと一緒に食べるから美味しいのかわかりませんがとにかく美味しかったです。

投稿 マッチー | 2008/05/01 15:11

はい、はい、またまたご馳走様です。
ダーリン、喜んでおりましたか。

「君と一緒に食べるものだったらなんでも美味いよ・・・」などとくさいセリフを吐いてないでしょうね。

マッチーもチャングム観てたんだね。しかも高評価のようで。
何故、あれほど心根がまっすぐなのか!
実在のチャングムもそうだったのかなぁ。
大長含(テ・チャングム)というのが正式な名前のようですけど。

投稿 亜美之介 | 2008/05/01 16:08

正しくはテ・ジャングムと発音します。
韓国では最初のタ行がある条件によって
ダ行に濁ります。
テは中宗から与えられた称号ですので
ファーストネームはチャングムですね。

投稿 マッチー | 2008/05/01 22:22

なるほどテ・ジャングムというのが正しい発音なのですね。ハングルは全くの門外漢ですので勉強になります。
小説の表記を鵜呑みにしたものですが、細かい説明をするのは訳者として、面倒だったのかな。
豪州のハチからコメントを貰ったとき、豪州ではチャングミと発音する旨のことが述べられていました。チャングミかぁ。チャーミングに語感が似ているからかな、とも思ったのですが、それよりも一歩間違いえれば、僕の本名にちょっと似ているかも、と思いました。即ち、タケダ・チャングミ。

投稿 亜美之介 | 2008/05/02 00:53

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