短趾屈筋(たんしくっきん)
趾を屈曲させる足裏にある短めの筋肉。但し、母趾以外の四趾を屈曲させます。
足底腱膜のすぐ下にある第一層目の筋です。
よく、土踏まずが盛り上がっているような足裏を見ることがありますが、大概はこの筋肉の発達によるものでしょう。
柔道家は畳に吸い付くような蛸のような足を持っていると有利だと言われています。
趾が屈曲して畳に食い込むかのような状態を指して言うのでしょう。確かに、柔道家はこの短趾屈筋が発達し、偏平足に見えることが多いものです。
足の機能を高めるためにタオルギャザー・トレーニングをするわけですが、この短趾屈筋を鍛えるのに一役かっていることになりまね。
ほぼ中央部に短趾屈筋のメイン塊があるので、足心穴や失眠穴がある部位でもあります。
足底腱膜とともにこの筋肉の障害も多くて足底腱膜炎と誤診する場合もあるそうです。
実際、足裏が痛いという症例を持っている方が足裏を揉んで貰おうなどとは考えませんので、リフレクソロジストには馴染みの薄い症候でしょうが、足のトラブルの中では決してバカにはできないものです。
重要穴があることを考えると、この筋筋膜の固有受容器の異常は全身に影響を与えると思って間違いありません。(趾の屈曲問題だけじゃないということです)
痛いという自覚症状があれば気づくのでしょうが、特に痛みもなく、それでいて、受容器の侵害があるという状態があるから問題なのです。
(全部の筋筋膜、関節に言えることなんですが、足裏は常に体重を受け止めてバランスを取らないといけない宿命をもっているので他より影響が出やすいのです)
足心から失眠にかけて押圧すると、やけに気持ち良いのですけど・・・と言う方がいます。短趾屈筋がコッている方ですね。
コリというのは固有受容器の異常を表すもっとも一般的症状ですから、この比率はもしかしたら、肩こり者のそれを超えるほど多い割合かもしれません。
足裏のコリが肩コリを超えるほど多いなんて、誰も指摘しなかったことですが、小生のように足裏も全身もする施術者が少ないことからきているのでしょう(しかも足裏安定圧系は非常に少ない)。
いずれにしてもこの短趾屈筋をよく解してあげれば、よく眠れるとか、身体全体が緩んで気持ち良いとか言ってくれる部位ですから、足底療法家には重要な筋筋膜なのです。
※さきほども酷い肩こり者の施術をしたばかりですが、その方、あまりにもコリ過ぎて、首、肩を揉んでもらうと貧血で倒れてしまうと仰ってました。
首、肩の筋群を緩めて脳へいく血液が減少するわけがありませんから、揉むことによってかえって防御的に筋収縮が起きたものなのでしょう。
当然、小生は足から緩めていくので、そんなことは起きないですから心配しないでと短趾屈筋群を入念に押圧しました。
足の施術のあと、身体が緩んで気持ち良いと言い、そのあとの全身での施術を終えても当然ながら、貧血様の症状は起きません。
上手い下手の施術に関わらず、いきなりの首、いきなりの肩の施術に向かない一群の人々がいるのです。
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