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リンパ節

(一)

リンパ節は体内に大小合わせると百以上あります。
内臓の出入り口にはほとんとありますし(例外もありますけど)。
体表面においても、ソケイリンパ節はコリコリしている人が多くて分かりやすい。また腋下リンパ節も有名なところではあります。

四肢の継ぎ目のあるソケイリンパ節と腋下リンパ節を誰でも知っているのは、子宮癌や乳癌などで転移を防ぐために大きく切除することがあるからだと思います。

施術家をやっていて、そのような人に出会ったことはない、という人はいないでしょう。
大概は酷いムクミを伴います。特に切除した側の四肢は。

リンパ節を切除すれば、リンパ流がストップするわけですから、当たり前といえば当たり前。そこで、補助的にマッサージなどをしてムクミを少しでも改善するという方法を取ることになるわけですね。

そういう風になってしまえば、ある意味、対症療法的な施術にならざる得ないでしょう。
自然にリンパ管が形成され、ムクミが落ち着いてくるまで待たなきゃいけない。
(勿論、免疫力を高め再発を防ぐという重要な意味もあるのですが)

近年、非常に多くなってきた子宮癌にしても、乳癌にしても、原因を一つに求めることはできません。様々な要因があるのでしょう。体質、遺伝的要素も大きく関与することでしょうし。(精神的ストレスの要素も大きいようです)

あえて、手技法家の立場から言わせていただくと、ソケイリンパ節と腋下リンパ節のブロックが何故こんなにも多いのだろうと、思うこと度々ですから、これらのリンパ流ブロックが関与していない、と断言する勇気はありません。

例えば、フット・マニピュレーションで股関節の歪みを診ると、相当数の方が正常じゃないということがわかります。これが微妙なリンパ流の阻害を生んでいるわけです。

このような状態で足のみをいくら揉んでも、下肢全体の流れが急速に回復するということはありません。反射にも限度がありますから。

ですから、股関節周りのアプローチは必要不可欠ではないかな、と思ったわけで、フット・マニを作りました。

昔読んだ本(題名は忘れました)に、ソケイリンパの流れを改善することが健康への近道!のような趣旨のことが書いてあって、自分の身体の体験からもエラク共感した覚えがあります。

体操やヨガなどをやっていて、(どうも股関節を動かすときにひっかかるなぁ)というような感じも持つ方は間違いなくそこにブロックが生じています。

「ソケイリンパブロックの証」という人は意外に多くて、足を揉んでも膝裏を揉んでも全然流れてこない、という人が股関節周りのブロックを除去した瞬間から流れはじめ、足が温かくなってきたという例も結構あったりもします。

誰でも思いつくところではありますが、意外な盲点なんですね。

腋下リンパ節はさらに盲点です。
ソケイリンパ節が股関節の有り様とリンクしているのと同じで、腋下リンパ節は肩関節の動きに密接にリンクしております。と同じくらい胸骨の動きにも関係していて、中々侮れない部位ではあります。

アプローチも敏感なところだけに気を使います。
ごく自然に全く嫌な感じを与えないでアプローチしていく方法論を見出すのには随分時間がかかったものです。

西洋手技ではせいぜいリンパマッサージ(ドレナージュ)程度で、治療系でやる方法は見たことも聞いたこともないですね。

日本では指圧のある流派がこの近辺に強烈なアプローチをかけてきます。
一度やってもらったことがありますが、何せ、痛い!!!
途中で(止めてくれ!)と何度叫ぼうとしたことか。

「ここら辺が痛いと動脈硬化が進んでいる証拠なんです」と嬉しそうに言っていましたね。
理由は?と問う余裕などないくらい痛いものでした。

仕事柄、腕を使うことが人より多いので、やり終わったあとはすっきりして、両腕に流れが戻ってきた、みたいな爽快感はありました。
が、しかし、痛すぎる。

(ホントに痛かったなぁ、大胸筋なんて丈夫だという判断なのでしょうか、情け容赦なく押してくる。腋の下も痛かったけど、あの大胸筋の痛さは忘れられない。一種のトラウマになってます。小生は実証ですから、まだいいようなものの、虚証体質には無理な施術ですわね)

これに慣れることがかえって怖い。より強い刺激を求めていく指圧ジャンキーの誕生だ。
こんなことしなくても、腋下リンパ流の改善はできるはずだというところから、研究が始まったような気がします。10年くらい前の話です。

頭蓋―仙骨系の問題は残されるにせよ、「流れた!」という感じを引き出すのに、重要な部位ですね、ソケイ、腋禍リンパブロックの除去は。
とりあえず、流れを良くしておかないと、そのあと何をするにも、各種技法の阻害要因になってしまいます。

それが四肢と体幹を繋ぐ、継ぎ目にあるというところが面白い。
頭蓋-仙骨系にしても脊椎系にしても中枢であって、重要であることは誰でも分かりますが、四肢の継ぎ目に目を向けるというのはいかにも東洋的で、全体的な発想です。

クライアントのオーダーに応え(首、肩のこり、腰が重い、足がだるい等等)、一生懸命施術してもある一定の確率で、全身の巡りが回復した!とは思わない一群の人々がいます。

こういう場合は「ソケイ、腋下リンパブロックの証」である可能性が高いので、特に訴えがそこになくとも、施術に加えねばなりません。

婦人科系疾患の予防にもなるわけですから、最初から加えておいても良いでしょうが、施術時間と兼ね合いがあります。

何回かに分けてもいいかと思いますね。10回くらい来られるのなら、3回に一回は是非、施術の中に組み込んで貰いたいものだなぁ、と。

うまくやりますと、ある種の人々には大変な威力があります。

(二)

訂正-腋下リンパ節と書きましたが、「腋窩リンパ節」が正しいことになっています。謹んで訂正させて頂きます。腋の下の窪みという意味なんでしょうが、面倒くさい字だ。

昔は淋巴とも書いたようですが、ラテン語のLymphaの当て字なので現在はカタカナで表記することにもなっています。

またリンパ節のことをリンパ腺と呼ぶ時代もありました。
腺は内分泌器を表すので、これも正しくないということでリンパ節に統一されています。

若し、淋巴線と表記されている書物があったなら、相当に古いものだと思って間違いないでしょう。そういえば、小生がリフレを習いたての頃、反射区の名称がリンパ腺となっていたのを覚えております。さすがに淋巴は使っていませんでしたが。

ところで、ラテン語のLymphaは「透明な水」とか「澄んだ水」という意味だそうです。
古代ローマ人は水道事業に精魂を込めたようです。
道路の整備と水道の整備が所謂ローマ化だったわけで、ローマの支配権を受け入れた他国の人もかなり恩恵を受けたでしょうね。

事実、古代ローマの時代はそれから時代が随分下る中世ヨーロッパに比べても疫病が少なく、清潔な暮らしをしておりました。

水道を引っ張ってきて、キレイな水が溢れた出たとき、「おお!リンパ!リンパだ!」と市民が歓喜の声を上げたシーンを想像すると、現代とはリンパの意味が違うので、変な感じはしますわね。

水道のリンパ流はかなり流れが速いと思いますが、人体のリンパ流は胸管(最大のリンパ管)においてさえ、24時間で2~3ℓくらいの速さです。

如何にゆっくりか分かるのではないでしょうか。
こんな速さですから、簡単に停滞してしまいます。

循環させる唯一の原動力(エネルギー)は筋肉の運動ですから、運動不足に陥ると、たちまちリンパ流の停滞を招きます。

そういうことから、リンパマッサージ(ドレナージュ)という考え方が生まれてきたのですが、それはそれで意味のあることでしょう。しかし、深部リンパ流、及び深部のリンパ節にまでは届きません。

頭頚部はまだ良いにしても、脊柱前、骨盤の中、腹膜間にあるリンパ節は如何ともし難いものです。

腹膜間リンパ節は按腹で対応できます。
骨盤内も深く食い入れるような圧で何とか対応できるでしょう。

しかし、脊柱前となると、お腹側からでは無理です。
背中側から愈穴を利用することになるんでしょう。

その前に運動不足を解消し、節度ある生活をするというのが、基本になるわけで、昔からの原則は普遍的ではありますね。

リンパ球が免疫の主体であることを考えても、リンパ流の停滞、リンパ節のブロックがタダチに免疫力に影響することは間違いありません。
コリをバカにできないのは、このリンパ流を血流以上に簡単に阻害してしまうからです。

まあ、いずれにしても全てのリンパ節に直接的な操作を加えることはできません。
間接的にはそう意図せずとも、影響を与えているわけで、それなりのしっかりした施術であれば、リンパ節だけを狙い撃ちする必要もないのです。

しかし、前述したようにソケイリンパと腋窩リンパについては意識してやったほうが良いですね。「全身の巡り感」に影響しますから。

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