非線形機序と線形機序
難しい表現ですが、施術家なら一度は疑問に持つものです。
例えば、リフレ系の施術者は身体の歪みをあまり問題にしませんね。
また、歪んでいることが分かっても、その歪んでいる部位に直接アプローチすることもありません。あくまで、足の反射機序のみを考えて施術するわけです。
対して、カイロ系の古典的な考え方は背骨の歪みを問題にします。
一番頚椎がズレているとか、4番腰椎が後方転位しているとか・・・
前者を非線形機序といい、後者を線形機序といいます。
まあ、要するに身体の歪みを問題にし、直接的にアプローチするかしないか?ということなのです。
非線形論者は別に身体の歪みが直らなくとも、症状は改善するし、治りますわよ、ということを経験から分かって、それなりに納得しているわけです。
線形論者は身体を調べていくうちに、ホラッ!ここが歪んでる!これが原因なんだな、とそこを矯正する施術をして効果を出すわけです。
どっちの考え方が正しくてどちらが間違っているか?
この問いは基本的に意味がありません。
歪んでいてもうまく適応している場合もありますし、適応できず、訴に至ることもあります。千差万別なのです。
ここで重要なのは「エネルギーブロック」という考え方だと思うわけです。
特に歪みが検出されずとも、何らかの原因でブロックされている場合もありますし、歪みそのものがブロックの原因になっていることもあります。
また歪みが矯正されなくともブロックが解除され、流れが回復することもありますし、歪みが解消されてはじめてブロックが解除されることもあります。
ですから、どちらの考え方でも治る場合があるわけで、何が何でもこの歪みをまっすぐにしなきゃいけない、とドグマに陥る必要はありません。
だからと言って、歪みを全く無視するのも守備範囲を狭くするだけです。
中庸とはよく言ったもので、少なくとも施術者はリベラルな考え方をしなきゃいけないのです。整体は宗教じゃないんですから。
中には自分の方法を宗教の教義みたいに考えているような人達もいますが、心ある人たちからは軽蔑されていることを知るべきでしょう。
いずれにしても線形的に治癒する場合も、非線形的に治癒する場合もあって、その共通項はエネルギーブロックが解除されるかどうか、だということです。
※「エネルギーブロック」「組織拘束」「トラウマ」「経絡の虚実」「気の滞り」「血流、リンパ流の悪さ」場合によっては「トリガーポイント」・・・結局は言葉を変えているだけで同じようなことを言っています。最終的には繋がっていくわけですから。
「リフレパシー随想」カテゴリの記事
- 棘上筋(きょくじょうきん)(2011.08.14)
- 棘下筋と小腸経(2011.07.13)
- 名医と並医とヤブ(2011.05.04)
- 虚実補瀉とトリガーポイント(2011.04.30)
- 腰と呼吸(2010.11.01)