« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

突然の膝の痛み

スタッフKが突然、膝痛を訴え出しました。
痛くてしゃがむことが出来ないと言います。
「膝が痛い、痛い、痛い、膝が痛い・・・・」
5秒に一度は言いますので、うるさくて仕方ありません。
「ねぇ?ねぇ?どうして?どうして痛くなったの?」
(そんなこと分かるわけないだろ)
でも一応、「風邪引いたからじゃない?」と親切にお答えします。
「風邪なんか引いてないもん」
とリッパな鼻声で答えます。
「鼻声で風邪引いてない、てか・・・・」
「私の風邪はノドに来るの!ノドに来て・・・熱が出て・・・」
と訳の分からないことを言うのでした。

「膝って寝違えることもある?」
「そりゃ、理論的にはあるだろうさ」
「あっ、全然、親身になってない!」
「分かった、分かった。あのね、症状というのは単独の原因では出ないの。複数の要因が重なって出るわけさ。だから、色んな可能性があるわけね・・・」
「痛い、痛い、ストレッチが出来ない。座れない!痛い、痛い」
と全く人の言うことを聞いてません。

「突然なのよ、突然。普通は前触れとかあるんじゃない?突然痛くなったんだから」
(そう言われてもなぁ)
「あ~痛い、痛い、痛い・・・・来週は膝が痛くて来れない。あ~、来週来れない!」
と脅迫するわけです。

「膝痛治しで中高年のアイドルだったんでしょ」
「分かった!分かった!」
名案がありました。
丁度、リンズちゃんから貰った鍼があります。鍼を打とう!
ただし、報酬を取らなくても、他人に鍼を打てば、リッパな鍼灸師法違反になります。
隠しカメラや盗聴器がないことを確認して鍼を打ってあげたのでした。

すると大騒ぎ、
「チクチクする!あっ、重だるくなってきた!大丈夫なの?鍼打ったことあるんでしょ?」
(あるわけないだろ!)
「大丈夫、大丈夫、任せておきなさい」
(期限切れの鍼だけど、大丈夫かな)と思ったことは口に出しません。
というわけで膝周りに鍼を打ったわけですが、「あっ、今度は首!首に来た!」と言います。
(なるほど、手技と同じだなぁ、結局、気を動かすという意味では同じなんだな)
そう!小生の狙いはそこにありました。経絡機序の確認。
スタッフKの身体は経絡にとても敏感です。
あの髪の毛のように細い鍼が経絡機序を起こさせるのかどうか。どの程度まで入れるとそれは起きるのか?またとない実験台なのです。
これは手技法家としても重要な情報です。
(ふ~む、鍼はやはり手の代用品だ。増永師が書いていたことと一致するな)

そうしてなんやかんやで、なんやかんやとやっているうちに、なんやかんやで終わりました。
「軽くなってるけど、まだ痛い」
「そりゃ、すぐに完治はせんよ、でも、明日、明後日で治るからね~」
と適当なことを言ってお茶を濁しました。

しかし、内心うしろめたいことは確かです。
来週、罪滅ぼしにちゃんと手技でやってやろうか、とチラっと思いましたが、実現するかどうか分かりません。

覚せい剤物語

ネアンデルタール人のお墓に麻黄(マオウ)という植物が一緒に埋葬されていて、これぞ人類最古の薬草ではないか、と話題になったことがありました。

麻黄は漢方生薬でも様々な方剤に含まれ、実によく使われているものです。
単味では咳などによく効く民間薬として有名です。

そして1920年代、この麻黄の主成分を純化することに成功しました。
これがエフェドリンという物質。
麻黄もエフェドリンも一度は聞いたことのある名前ではないでしょうか。

ところがこのエフェドリン、喘息などの咳系症状には抜群の効き目を示したのですが、副作用があることが分かりました。
交感神経を活性化し過ぎるのです。

つまり、動悸、血圧上昇、不眠、興奮。
それに伴う心臓疾患の憎悪、脳血管系の疾病リスク・・・・
そこでこれらの副作用を防ごうとさらに研究を重ねた結果、エフェドリンと分子構造がさほど違わない丁度良い物質の合成に成功しました。
これが「アンフェタミン」(覚せい剤)!

アンフェタミンの効き方というのは独特でした。
エフェドリンのような副作用はなかったものの、服用した者は皆、一時的な高揚感と活力を得られたのです。しかも、眠らずにいらるというおまけまでついて。

アンフェタミンは広く吸入剤として用いられていましたが、これらの特性を活かし、本来の用途ではなく、戦時における兵士の士気高揚に用いられることになったわけです。
日本ではヒロポンの名前で一般人にも利用されました。
ある程度年配の方ならご存知の通り。

しかしながら、これも常用していくと、幻覚やせん妄、精神異常などの副作用がみられ、しかも依存性と禁断症状が強く、常用者は社会に適応できなくなるわけです。

戦時状態が解除されればこんなものを野放しさせるわけにはいきません。
麻薬の指定を受け、禁止薬物になったのは当然でしょう。

ところで、エフェドリンと分子構造がさほど違わないのに、何故、アンフェタミンが麻薬化するのか?これは脳科学が発達にするにつれ明らかになっていくわけです。

エフェドリンは血液脳関門でブロックされ、脳の中までは入ってゆかないのに対し、アンフェタミンはメチル基が一個少ないが故に、楽々と脳関門をくぐり抜け、脳の中に入ってゆけて、かつ作用するのです。

ということは脳の中にアンフェタミンと固有に結びつくレセプターがあるということになります。(ドーパミン・レセプターなのですが、ここらへんは面倒くさいので省略します)

いずれにしても、覚せい剤は麻黄の研究から派生的に合成された物質ということになります。そしてこれは、作った研究者も予測が出来ない不幸を生み出すことになってしまったのです。

若し、麻黄という植物がなければ、エフェドリンも生まれなかったでしょうし、あっても交感神経を緊張させ過ぎる、という副作用がなかったとしたら、覚せい剤は生まれなかったでしょう。さらに、この副作用をなんとかしようとする旺盛な研究心がなかったとしても生まれなかったにちがいありません。

そもそも、麻黄が咳に効くということを発見さえしなければ、やはり覚せい剤はなかったのです。

このように偶然の上にも偶然が重なり、現在の麻薬禍になっているわけです。

数万年前、人類が麻黄の薬効に気付いてから酒井法子の逮捕までの覚せい剤物語。

他人事とは思わず、誘惑される機会があっても断じて遠ざけなければなりません。

※現在、覚せい剤はもっと脳に入りやすくするため、メタンフェタミンという形に変えられています。ですからバージョンアップ、強力タイプです。その分、依存性も禁断症状も強く出ますので、その恐ろしさは何倍にもなっています。

乳がんの確率

日本人の23人に1人は乳癌に罹る・・・あらためて統計を突きつけられますと、その多さに驚きます。

すでにイギリス人やフランス人の罹患率を超えているのだそう。
乳癌大国アメリカは8人に1人という桁違いの罹患率だそうですが、救命率は日本より高いとのこと。

20年ほど前、母が乳癌の疑いがある、という診断を受けました。
細胞診では結論が出ず、五分五分の可能性。
手術してみなければ決定的なことが分からないとのことでした。

手術の結果、「葉状肉腫」という悪性ではないが、良性の中でもちょっと性質(タチ)が悪いものと説明されました(性質が悪くてもガンではなかったわけでどれだけホッとしたか)

手術が始まり、終わって医師から説明を受けるまでの間、まあ、なんといいましょうか、針のムシロ状態です。母も口に出してこそ言いませんでしたが、不安はいかばかりだったでしょう。日頃、親孝行もせず出来の悪い息子ではありましたが、このときばかりは優しくした覚えがあります。

母の件があって初めて、乳腺外来という科があると知りました。
そして、いかに乳癌が多いか!ということを知った次第です。

あれから20年以上が経っていますが、減るどころか加速的に増えているようです。
食生活の欧米化、女性の社会進出に伴うストレスの増大・・・・原因は一つではないと思いますが、診断技術の進歩も大きく影響しているかもしれません。

いずれにせよ、専門外のことについては詳述する資格はありません。
しかし、自然療法の立場からすれば胸骨ブロックによるリンパ流の停滞が大きな原因の一つだと言えるわけで、これらはHP等で何度か触れているところです。

胸骨の微細運動の阻害、つまり胸骨ブロックは精神的ショックでも肉体的ショックでも起き得ます。

精神的なもので言えば、「胸がつまる」「胸が張り裂けそう」「胸が痛む」等の慣用的表現が表すところはすべて胸骨ブロックにつながり、胸部リンパ流の停滞につながるのです。

女性の場合は乳腺という特殊な器官があるため、ここに集中して癌が発生しやすいわけですが、胸部リンパ流の停滞は肺の問題にもつながっていきます。

喫煙率が下がっているにも関わらず、肺癌罹患率が上がっているという事実はよりストレスが増大したと見るべきで、現代は昭和の頃よりも住みづらい世の中になっていると言わざるを得ません(最近の昭和ブームはこれと無関係ではないでしょう)。

いかに住みづらい世の中であっても生きていかねばならないのは当然のこと。
せめて、身体をケアーし、胸骨のブロックを除去して予防に努めたいものです。

読字障害

先日、NHKの特集で「読字障害」をやっていました。

「読字障害」という言葉自体を知ったのは5~6年ほど前のことでしょうか。
たしか・・新聞の健康欄か何かに書いてあったような・・・・

このとき、なるほど・・・・クラスにも何人かいたし、社会に出ても音読がやけに下手な人がいたなぁ、あれは「読字障害」だった可能性があるのか、と認識を新たにした記憶があります。

そういうこともあって、先般のNHKの特集は興味深く見ました。こういう障害はもっと世間に知られるべきものでしょうね。

そうでなきゃ、単に頭の悪い人とレッテルが張られることになりかねません。
実際は脳の回路が人と少し違うだけで、それを補ってあまりある才能に恵まれている人も大勢いるというのに。

番組がいうには、その障害を持っている人は概ね空間認識力に優れているのだそう。
我々とは全く違う世界を見ているわけで、それを生かして大成した人たちも紹介されていました。(歴史上の人物も含め)

それ以外でも小生が知る限り、俳優のトム・クルーズは「読字障害」の可能性が高いと聞いたことがあります(脚本をどうやって覚えるのだろう?)

番組で初めて知ったのは、文字を認識し、意味を理解するのに、一旦、脳の中で音声変換する、という事実です。
この音声変換する脳の部位が39野と40野と言われるところなのですが、この部位の機能が活性化していないらしいのです。

そうすると、生まれつき耳の聴こえない人たちは文字を読むことができないことになりますし、音声変換しないで文字を読む「速読家」達はどうやって文字を理解するのでしょうか?

番組では紹介しきれなかったメカニズムがあるのでしょうが、そこらへんをもう少し突っ込んでやってほしかったなぁ、と思う次第。

いずれにしても文字を読んで理解する、ということが、相当複雑な神経回路を通じて行われているということだけは分かりました。
そして、その能力故に犠牲にした別の能力がまたあるということも、です。

※欧米では10人に1人。日本でも20人に1人は読字障害の可能性があるのだそうです。驚くべき数字。肩身の狭い思いをして生きていかなきゃいけないわけですから、一刻も早く一般に認知されるべき障害です。右利きか左利きの違い程度の認識になれば、問題ないわけですから。まずは文字が読めない=頭悪い、という間違った考えを払拭せねば・・・

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »