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古典の妙-灸

(一)

鍼は専門外で、たまにスタッフKにインチキ鍼をやる程度です。
それでも、その道の大家といわれる人の名前くらいは何人か知っております。
例えば、長野潔氏、代田文誌氏、間中嘉雄氏・・・・

ところが灸家となると、思い当たる節がありません。
お灸専門の灸師などいるなんて思いもよらないことでした。
(資格上はあり得ますが)
まあ、鍼の付け足しみたいな・・・そんな程度の認識。

そんな程度の知識しかないところに、先日、リンズちゃんがお灸の本を貸してくれました。
マニアックな本ですから、普通の書店にはないはずのものです。
深谷伊三郎著「お灸で病気を治した話」

これ、鍼灸師以外は知らないでしょうね。
小生も全く知りませんでした。

読んでみるとこれが面白い。
最近、東洋医学系の本は「黄帝内経」以外は増永先生、たまに大塚敬節先生の本を読むくらいです。

他はつまらないという単純な理由です。
手技法家ですから、参考になることがあまりなくて・・・・

ところがこのお灸の本は参考になりましたね~。
お灸などする気もないのですが(法制上できないですし)、実に参考になります。

考えてみれば、黄帝内経よりもさらに古い文献が1970年代に中国で発見されていますが、これらの文献はお灸に関することです。
その歴史は非常に長いわけだ。

著者の深谷伊三郎氏という方、お灸一筋40年の段階でこの本を書いたようですが、珠玉の名言が散りばめられていて、感動ものでした。

東洋医学に興味がある手技法家は是非読むべき本ですね。
施術の仕方が変わるかもしれません。
(但し、読みこなすには基礎知識が必要でしょうけど)

「経穴は効くものじゃなくて効かすものだ」なんて名言を吐いてます。
ゾクゾクするじゃないですか。

しかし、日本もこういう無名(一般には)の優れた治療家を輩出しているんですね。
それぞれの道は深い。
リンズちゃんには是非、灸の大家になってもらって、お灸を据えてもらいたいものです。
なんだか、小生もスタッフKにインチキお灸をしたくなってきましたよ。

(二)

深谷伊三郎氏著「お灸で病気を治した話」
装丁はワードで文書を作って、プリントアウトした程度の、なんだか家庭でも作れるような安っぽいもの。

ところが装丁と内容は必ずしも一致しません。

このお灸の本、色々な発見があるのですが、増永師の論や、少し意味合いが違いますが、反射区機序にも繋がっていきます。

「経穴は効くものじゃなくて効かすもの」
そうなんです。
反射区も効くものじゃなくて効かすものなのですから共感しますね。

さらに「変動穴」という概念を提唱していますが、これも臨床上、しばしば経験するところですから全く共感します。

「変動穴」というと小難しい言葉に感じますが、要するに必要穴が移動する現象のこと。
もっと下世話な例でいうと、背中が痒くて掻いてもらうとするでしょ。

「もっと右、右、もう少し上、そう!そこそこ」なんて掻いてもらううちに、そこが治まると同時に今度は違うところが痒くなるなんてことがよくありますよね。ツボもまたこのように変動していくケースが多いわけです。

増永先生は手技の性質上、経穴に言及することがありませんでした。経絡を頼りに手指でもっとも効くツボを探り当てる技法ですね。

しかし、このお灸の先生はお灸という定点を決めなきゃいけないという性質上、経穴を頼りにします。しかし、頼りにするだけで決め付けるということはしません。そこから変動するツボを探り当てるという方法論を取るのです。

治療手段が違いますから、これくらいの違いはあってもいいでのですが、共通するのは盲目的にツボを決め付けないということです。

その人にとって必要なツボを見出す。
その手段が経絡的なのか、経穴的なのか、という違いだけです。

いずれにしても両者ともに相当な経験と手指の感性が必要だということは容易に想像できるわけで、何事も一朝一夕で成し遂げることは出来ません。

「本当のツボはここだ!」と主張する沢田流経穴に対しては、それは「変動穴」じゃないのか?!とちょっと皮肉っていたり、興味が尽きないないですねぇ。手技の立場でいえば、本当のツボなどありゃしない、ということは常識ですから。

ツボは個人によって変わってくるし、まさに移動し変動するものなのです。

(三)

手技においても、鍼においても、個人固有のツボを探り当てなきゃいけないのは当然のこととして、その手段によって経穴、経絡に与える影響力というのはかなり違うようです。

灸は基本的に熱エネルギー刺激です(艾の気というのもあるけれど)。

その熱が浸み透るまで行うとしているのですが、熱が浸み透るというのは一体どこで判断しているのでしょうか?

手技なら手指の感覚で圧が浸透した感じというのは何となく分かるのですが・・・・
一々患者に聞くというのも現実的じゃありません。
(熱が浸み透る感じそのものが分からないに違いないですしね)

一度、その熱が浸み透って響きが起きる現象というのを体感してみたいものです。
この本を紹介してくれたリンズちゃんは、鍼でも手技でも響かず、灸で初めて響き(遠隔操作)を体感できてちょっと感動したと言っていました。

また、熱が散じてしまって、上手く入っていかないという表現もあります。
見ただけで分かるのでしょうか。

いずれにしても的確な位置(ツボ)で的確な壮数(刺激量)を行えば、必ず、灸熱が浸透し、適応症である限り、効かぬことはないと断言しているわけです。
やっぱり名人、達人クラスじゃないとこのような境地には達しないでしょうね。

この深谷先生という方、非常にバランスが取れている考え方をします。
灸は他の療法では得られぬ妙効があるとしていますが、同時にその限界も熟知されていて、治療家の鑑みたいなものです。

経験からくる強烈な自負心と、適応症でないものは効かぬという謙虚な姿勢は一流の治療家の必要条件です。技量不足で効かないのか、そもそも適応症じゃないのかという判断は非常に難しいところです。

これを知るために経験を積むようなものですから。
治療家たる者かくあるべし、ですね。

(四)

面白い例を紹介しておりました。
日本の家屋には煙突というものがなかった為、眼病が多かったという話はいつぞやのブログで書いたような気がします。

その眼病の取穴法は口伝、秘伝に属するもので、秘することを条件に限られた弟子達が受け継いでいったわけです。

それでも、漏れ伝わっている部分もあり、この先生、それら先人の知恵を拝借して取穴し、治療を行っていたとのこと。

あるとき、眼病を患ったことのある中年の男性を診る機会があって、身体を調べたところ臂臑(ひじゅ-上腕にあるツボ)に明らかな灸の痕を発見し、膿でも出したのか?と聞きました。
(臂臑は排膿穴でもあります)

するとその男性、近所の婆さんが、ここにお灸をすれば眼病など治ると言って、灸を据えてくれたのだというわけ。

それを聞いた深谷先生、ピンとくるものがあったのでしょう、(それは良いことを聞いた)と今まで使っていたツボを捨て、眼病患者にはこの臂臑を中心に穴を求め、次々と試していったそうな。

すると、妙効、著効、卓効あらたかで、特に白内障には抜群の威力を発揮したそうです。
(正直に書いているところが面白い)

文脈から察するに、昭和40年代の話ですが、この頃日本ではまだ、年寄りが奥義ともいうべき灸点を知っていたという事実に驚かされます。

別に医者でも鍼灸師でもない普通の婆ちゃんがですよ。
(臂臑が眼病に効くなどとはどのツボの本にも載っていません。若し載っているとすればこの深谷先生の本に影響された著者でしょう)

東大医学部の眼科の教授でも治せない眼病を普通の婆ちゃんが治しちゃうわけですから、古典の妙というのは痛快です。

昔は生きていくための知恵の一つだったのでしょうね。
今はその知恵が失われてしまって、医療費だけが凄まじい勢いで伸びていっています。
なんだかなぁ、の昨今ですね。

(五)

近所の婆ちゃんに類する話は最近、小生も経験しました。
スタッフKが膝痛で大騒ぎしたことは前に書いたと思います。

当然、小生のインチキ鍼では効くはずもなく、その後も痛い、痛い、膝が曲がらない!とウルサイわけです。

仕方がありません。
本業の整体でもちょこっとやってやるか、と右側三関節と首をまあ適当に施療しました。
大分屈伸はできるようになったものの、依然、違和感があるようで、しばらく様子をみました。

しかし、どうも膝の腫れが引かないのです。
(こりゃ、最初にやったインチキ鍼で余計に悪くしたかなぁ)ということはおくびにも出さず、しょうがないので全身整体フルコースで行うことにしました。

すると、随分良いようです。
まあ、格段の違いと言っても良いでしょう。
しかし、それでも膝はちょっと腫れていて、水が溜まっているような感じです。
あと出来ることは継続することですから、また機会があればやってやろうと。
(施術としては成功なんですよ)

さて、ある日、整体の授業があって、スッタフKはモデルになっておりました。
ある部位にさしかかったところ、受講生の方が間違って教えたところと違う部位を施術しました。

臀部の緊張を取るに環跳穴近辺が一番良いのですが、その位置をかなり骨盤よりに取ったわけです。ここは正穴ではありません。奇穴、阿是穴の類でしょう。

むしろ、三関節のうちの股関節部位へ働きかける位置かもしれません。

ともあれ、そこを施療されたとき、スタッフKは膝に響いて非常に効くと言います。
たまたま左側だったので、後で、実際に悪くなってしまっている右側を同じ位置で押せと小生に命じるわけですよ。

小生に指示するなんて、10年早い!と思ったのですが、どうも真剣な様子。
右側を同じ位置で取穴押圧し、また押さえながら、運動法も加えました。

すると、響く!膝の中まで響く!と大音声を発したのち、なんと、膝の腫れが引きはじめまた。この間、わずか数分です。

当然、自覚症状も良好です。
驚いたのはホントに膝が一回り小さくなっていることでした。
これは古典の妙とも言えますし、三関節原理の応用とも言えます。

いやはや・・・・

おそらく近所の知恵婆ちゃん連中は、このようなどこの文献にも載っていない効く部位を知っていたに違いありません。

勿論、全ての膝痛に有効というわけではないのですが・・・・
しかしある種の膝痛に対してでも、これほど劇的かつ物理的に変化するケースは小生も初めてみました。

施術百話に軽症であるはずの膝痛を治せなかった例を書いておりますが、今、考えると、あの人はこの位置が効く人だったのかもしれません。

古典の成文はツボの方向性を示すのみ、としています。
あとは自分で考えろよ!という意味の裏返しなのですが、深谷先生の経験といい、今回の例といい、まさにツボは大まかな方向性を示しているのみです。

だからこそ、増永先生も経穴には言及されていないわけで、それに倣い、小生もほとんど経穴には言及したことがないわけです。

灸の話から段々ハズレていきますので、この辺で終わりまにします。
興味のある方は深谷先生の「お灸で病気を治した話」を読んでみてください。

小生は第4集と第5集を読んでいるだけですが、お灸を専門にするのじゃなければ、これで充分かと思います。
考え方がよく分かります。
そして参考になることでしょう。

リフレクソロジーの反射区-膀胱

膀胱は尿を溜めておく役目のみ、それだけです。

しかし、排尿反射の起きる神経が膀胱の内壁にあって、尿のたまり具合から刺激を受け、大脳に伝達されることを知っていたらどうでしょうか。

排尿障害は年齢につれ非常に多い病態です。
若し、膀胱内における神経異常であれば、きっと有効であるに違いありません。
(脳に問題があればこの限りではありませんが)

しかし、もっと重要なのは膀胱自体が腎経の要「然谷」というツボにほぼ等しく、このツボは昔から腎経異常が現れやすいとしていることです。

原因不明の熱は肝であることが多いものの、子供などは腎の場合も多いものです。
若し、子供の熱が下がらず、医者も首を捻るばかり、という状態になったとき、どのような処置をすれば良いのか?
この場合は膀胱「然谷」を揉むと解熱されることがあります。

北里大学東洋医学研究所の先生は誰も下げることの出来なかった熱を、ここを揉むだけで下げたとの由。
医師が足を揉むというのは珍しい図ですが、東洋医学の先生なら、さもありなん、ですね。

このように知っているのと、知らないのとでは生死を分けることさえあるのです。

膀胱炎という病気があります。慢性化すると、繰り返す厄介な病気であることはご存知のとおり。抗生物質が原因となっている細菌を全て殺すことができない、ということを知っていると、結局、残ったわずかな細菌群を殺して完治させるのは、自分自身の免疫力に頼るしかないと自覚できます。

また、何故、発症を繰り返すのかも知ることになります。

そう!薬で全て殺すことなど出来ないからなのです。
そうすると、冷えや過労によって、抵抗力が落ち、また細菌が増殖し暴れだすということを理解することになるわけですね。

そこで、症状が薬によって治まったとしても、まだ火種を抱えていることになりますから、充分な休養を取り、免疫力を高める方法を採ることになるでしょう。

リフレクソロジーの知識があるなら、その療法自体に免疫力を高める効果があることを知っているので、症状が治まってからも、継続して5~6回の施術を薦めるかもしれません。

かくして、その人の膀胱炎の再発に悩まされるという苦悩を人生から取り除いてあげることができるかも知れないのです。

リフレクソロジーの反射区-輸尿管

輸尿管とは腎臓で作られた尿を膀胱まで運ぶ導管のこと。
(普通は輸尿管とまでは言わないで尿管で済ませることが多い)
役目はたったこれだけです。

尿管結石という病気は腎臓で作られた石が尿管に引っ掛かって出る症状ですから、尿管自体の病気とは呼べないもの。

もし、尿管結石なら、反射効果で石が出る場合もありますが、もし出ないとそれだけ処置を遅らせ、腎臓に尿が逆流して、腎臓を傷めることにもなりかねません。
石だけに医師に任せる意思の強さが求められます(・・・・・・)

すると応用範囲があまりない2級反射区だということになって、重視しないかもしれません。

しかし!反射区が作用系ではなく位置系であるということを知っているならば、断じて軽視できない部位の一つ。

位置系というのは、その位置に働きかけるということです。
例えば子宮を全摘した人に子宮がないから子宮の反射区は無効だとは言えないのです。

かつてあったその位置に働きかけるものですから、そこに子宮がなくても瘀血があるかもしれません。変性し癒着した組織があるかもしれません。ですから、臓器を摘出した人にも依然、反射区は有効なのです。

尿管の位置をあらためて見てみますと、腎臓から膀胱に至るラインになっています。
ここに何があるでしょうか。
極めて重要な腹腔内臓器があるのが分かるでしょう。

尿管の問題があろうとなかろうと関係ありません。
腹膜、小腸、大腸を縦断するラインとして捉えれば、その重要性が分かります。

そこにコリコリとした索状物があれば若しかすると、腹膜の問題かもしれません。
或いは腸の癒着の問題なのかもしれないのです。

既往歴を把握していれば、手術の有無は分かるわけで、その問題が出ているのかもしれないと判断できるのです。

さらに東洋医学の経絡説を知っていれば、このラインは紛れもなく腎経であると分かります。腎経が生命力のエネルギーラインであると知るならば、余計に軽視できるものではありません。

基本ゾーンの中に尿管を含める所以です。

リフレクソロジーの反射区-腎臓

腎臓の役目をごく簡単に言うと、血液をろ過し、老廃物を尿として外に出す。水分を再吸収して体液のバランスをとる。

まあ、これくらいの知識は常識ですから、当然、念頭にはあるでしょう。

腎機能が弱まると腎動脈、そして全身の血管を収縮させて血圧を上げる、というメカニズムを知っていると(あ~そうか、血圧の問題にも間接的に関与しているのか・・)と思うかもしれません。

血圧を上げる直接的なホルモンは腎臓で作られるレニンというのですが、ホルモンは「刺激するもの」という意味です。ということは何かに働きかけ、何かを生み出しているのかもしれません。

調べると、ある種のたんぱく質に働きかけアンギオテンシンという物質を生成することが分かります。

そしてこのアンギオテンシンという物質こそ、血管を収縮させる張本人だと知ることになります。すると、降圧剤の中にアンギオテンシン変換酵素阻害剤という種類のものがありますが、これは若しかすると、レニンに作用するのかも知れないな、と思います。

アンギオテンシン変換酵素阻害剤が本態性高血圧症のエースとして登場したことを知っていると、なんのことはない、やっぱり腎臓に働きかけているじゃないか!腎性高血圧と本態性高血圧の境目なんて、ホントのところ分からないじゃないか、と。

しかし、この薬、レニンを阻害しているということであれば、レニンは体液の電解質のバランスをとってもいるわけですから、長期連用して電解質バランスが崩れた状態で果たして健康が保たれるのだろうか?という疑問も湧いてきます。

また、検査レベルでは分からない腎機能の低下をさらに促進する結果にはならないだろうか?とも。

かくして、もしクライアントが高血圧で降圧剤を服用している方だったら、どのような薬を処方されているのか、という興味、興味というより、知る必要性が出てくるのです。
次回、その薬を持ってきてください、と言うかも知れません。

そしてホントにアンギオテンシン変換酵素阻害剤だったとしたら、体液バランスの問題がこの人の主要な問題だと、判断できるかもしれません。

リフレクソロジーの特徴の一つに体液バランスを整えるのが得意な療法だというのがあります。(体液振動を通じて反射を起こしているという説もあるくらいですから)

すると、このクライアントさんに薬物の使用をやめるようには言えませんが(医師法違反になります)、少なくとも、降圧剤による副作用を激減させる効果はあると、確信できるようになります。

そして、自信を持って施術することになるわけです。
自信のある施術は良い効果を生みます。
まさに知識は力なり!の好例でしょう。

さらに腎臓は活性ビタミンD3の生成に大きく関与しております。
このビタミンが骨粗鬆症の発現に関わっていることを知っていると、特に中年以降の女性に対する予防効果を意識することができます。

すでにおばあちゃんになった人に対しても、骨折予防効果を強く訴えることができるわけです。さらに骨折してしまった人に対しても、骨折を早く治す効果があると、確信して施術を行うことができます。

Tさんの奥さんが足を骨折した際にTさんは毎日一生懸命施術したそうです。
骨折のため、当初、片足しか出来なかったにも関わらず、平均よりもはるかに早く、しかも後遺症もほとんどなく完治させたのはこのようなメカニズムがあったからに他なりません。
知識は力なり!です。

またさらに、25歳をピークとするならば健康な人でも50年後(つまり75歳)には腎機能が半分にも落ちてしまいます。このことを知っていると、若いうちに腎臓を傷めるとどうなるか?くらいの想像が出来るわけで、腎臓を強く意識して施術することになるでしょう。
もしかして、その人の将来の腎臓から来る病を未然に防ぐことができるかもしれないのです。

またあるとき、腎臓に問題がある腎臓病予備群は全国に2000万人いるという雑誌の広告が目に留まったとします。

リフレクソロジストなら、目が釘付けになるに違いありません。
ある健康雑誌では500万人という数字でした。これでもかなりの数だと思うのですが、いつのまにか2000万人になってしまっている。

マスコミは何事も大げさにいうものだということを知っていたとしても、相当な数であることは分かります。

しかし、述べてきたように腎機能低下はなにも腎臓だけに現れるものじゃないと、知っていると(血圧、骨粗鬆症等)、決して大げさな数値ではないだろう、と推測できるのです。
そして、益々自分達のやっている仕事に意義を見出すことができるわけです。

以上、ほんの一例です。
知識は知識としてだけでは役に立ちません。
しかし、リフレクソロジーの場合は直ちに施術にリンクし、役立つわけです。

ジンジン効果

(一)

小生、初めてリフレクソロジー施術を受けたのは20数年前。
台湾式の権化のような官有謀氏のスタイルです。

クッキー先生は官氏本人の施術を受けたとブログに書いてありましたね。
小生は当時下っ端で、とても両足フル施術をやってもらえるような立場ではありませんでした。

ちょっとだけやってもらったのですが、それでも充分に痛さが分かりましたよ。
飛び上がりましたもの。ギャー!と言って(ホントに「ギャー」と言ったと思います)。

これがもし拷問だったとしたら、何でも白状しちゃうでしょうね。
「イタイ!イタイ!分かった!分かった!俺だ!俺が殺したんだ!」って、やってもいないことまで白状しますわ。(そう思う程痛かったわけです)

しかし、ほんのわずかであっても施術後は足裏が妙にジンジンしているわけです。
しばらくの間続いていました。
当時は理屈も理論もたいした分かりませんでしたので、このジンジンした感じをそのままズバリ「ジンジン効果」と名付けたわけです。

何故かというと、この足裏から始まっているジンジンが身体の中に入ってきて、何かしらの影響を与えているような感じがしたからです。

そして、妙に心地良さが続くのです。施術の痛みが効果を生んでいるんじゃくて、施術後のこのジンジンが効果を生んでいるだろうなぁ、なんて思いましたもの。

全くの素人考えでしたが、後に案外的外れなものではなかったと知るようになります。

さて、このジンジン感、面白い特徴があって、あまり強い刺激にさらされると、さほど感じなくなります。慣れてしまうのです。

相当に強い刺激でも痛くない、という状態を作りだしたとき、健康になれるという理論が主流のときでしたが、小生はそう思いませんでした。

身体が刺激に慣れる、つまり対応したときには効果が薄まるのじゃないのか??と逆の考えをしたわけです。

本質的に天邪鬼なんですねぇ。
今はそうでもないのですが、若い頃はモロに天邪鬼でした。

当時、何の根拠もなく、そう思ったわけですが、そう思ったら、そういう施術をしなきゃイカン!というわけで、まっしぐらに研究したものです。
若いということは素晴らしくもあり、無謀でもありますね。

(中間過程は省略して・・・・色んなことがありましたけど)

あるとき、子宮癌のクライアントさんを診ました。
施術後、その方曰く「先生の足のマッサージは痛くないけど、長い間ジンジンして気持ちが良い」と。

その方、子宮癌の再検査で陰性になりました。
この一事をもってこの方法が絶対正しいなどと思うほど偏差値が低いわけじゃありません。また癌に効くなどと宣伝するほど、インチキ体質でもありませんよ。

様々な要因が重なるわけですから。
しかし、ある程度の自信には繋がりました。
飛び上がるほど痛くしなくても、ジンジンがあれば効力があるんだな、と。
(そのクライアントさんがジンジンという言葉を使ったのには驚きましたねぇ)

(二)

実際、さほど痛みを与えず、ジンジンさせるのは難しいものです。

受ける側の感受性の問題もありますしね。

結局、単純推圧に行き着くのですが、この単純推圧がまた単純ではありません。

技法としては物凄く難しい。特にドンピシャリの刺激閾値で圧を安定させるのは、肉体的にも精神的にも負担がかかる。

自分が考えた方法を世の中に広めてやろう!という野望を持っていたのですが、現実には難しすぎて広まらないわね~、という感じです。

(主旨に賛同して、その効果を実感して頂ける方のみということで細々と塾をやっているわけです)

いずれにしても推圧のみで行う足の施術は難しいわけです。
歳を取ると根気もなくなりますしね。

しかし、推圧を使うと微妙なツボ処が分かってきます。

フリクションを使うにしても、台湾系や欧米系の大雑把な施術の仕方じゃなく、かなり細かいものになっていきます。フリクションは楽ですからね、さほど、精神的にも肉体的にも負担がかかるわけじゃありません。

わずか、数ミリのスジにこびりついた老廃物を削ぎ落とすようなことも出来ます。
と同時にさほど痛みを与えず、ジンジン感を出させることも出来るようになってくるわけで、推圧の練習は決して無駄というわけではないのです。

小生のリフレのDVDはかなり大雑把な施術の仕方をしておりますが、あれが出来なきゃ、推圧も出来ません。そして繊細なフリクションも絶対に出来ないわけですから、あれはあれでいいでしょう。
基本型がないと、一歩も前に進まないわけですから、どうしても作る必要性があったわけです。

(三)

実際、小生のリフレクソロジーはどのようなものかというと・・・・

小生のリフレクソロジーを受けた人はあまりいないでしょう。
授業や説明会で行う試技は基本型ですので、実践形式とは少し違います。

施術を受けに来た方も、そのほとんどが体内浄化プログラムを選択するので、足の施術はフット・マニピュレーションという形ですからね。

さて、小生のリフレはどんなんだ?
そう、自分でも忘れるくらいですから、亜美之介センセのリフレってこういう施術か!と多分、不快(深い)勘当(感動)に包まれるのじゃないでしょうか。

曲がりなりにも、官氏の流れを汲んでいるので、ちゃんと老廃物除去施術をします。
かなり細かい所にも拘ります。同じ位置で執拗に施術する場合もありますよ。

女性くらいの足でしたら、指の関節はほとんど使いません。親指を多用しますね。
ただ、足裏を親指でフリクションすると、指を傷める可能性がありますので、フリクションの方向が授業とは逆になることが多いかな。

そうすると、スジの一本一本が指に触れてきますし、絡み付いている尿酸結晶の按配も分かるというものです。
当然、自律神経反射も意識しますし、ジンジン効果も意識しますよ。

経絡効果はさすがにあまり意識しません。そういう技法ではないのでね。
勝手に経絡効果が出てもいいんじゃない、みたいな感じでしょうか。

反射区を意識しなきゃリフレにならないので、意識はしますけれども、2級反射区や3級反射区は飛ばすことが多いです。その分、足首拘束のリリースに時間を割きますか。

(※2、3級反射区というのは、経験上、どうしてもそこに全息胚があるとは思えない、つまり反射がないか弱いかの反射区です。だからといって、そこに絶対ないという証拠を提出できない、微妙なものですかね)

フリクション系独特の多少の痛みはあるでしょう。
ただ生理的な痛みというより効いている痛みというか、そんな感じです。
単純推圧のツボ的痛みともまた違うんです。

まあ、実際受けてみると、教えられたことと随分違うな、と思う人もいるかも知れません。
しかし、これは経験と歴史ですから。

施術というのは相手によって千変万化するものですし。
(北斗神拳みたいなものだな)

結果、間違いなく老廃物が減少して、後、ジンジンしていれば、作用機序がどうあれ、大きな影響を与えているわけです。

(四)

官有謀氏が前面に打ち出した老廃物除去理論、つまりデトックス、即ち毒出し、ちょいと専門的にいうと循環原理は一理あります。

ただ、やり方が極端過ぎる。
最初は劇的に効くこともありますけど、継続しているとあまり効かなくなってくるのが弱点です。やはり違う方法でジンジンさせなきゃ。

というわけで、その違う方法を模索していて行き着いたのが足証という方法論なのでした。
しかし、この足証という方法論は足単体で施術を済ませるようには設計されておりません。気が強く動きますから、瞑眩反応が強過ぎるわけ。

あ~気持ち良いよ~なんて受けていたら、後で酷い瞑眩が出ることがある。
(某有名夕刊紙の記者が取材に来て、足証のみをやってあげたことがありました。次の日は酷い瞑眩反応がきて仕事にならんかったらしい。そうそう、そういうこともあるんです)

それを防ぐという意味で、また相乗効果を出すという意味で整体をやることになるわけです。だから、整体をやるということを前提に作られた技法なのです。

もし、足だけで済ませてくれ、と言われれば、まあ、リフレになるでしょう。
明生館にそういうクライアントさんがいないというだけです。
(某有名夕刊紙の記者の場合は取材だから仕方がなかったんです)

正確にいうとリフレ・コンプレックス(劣等感じゃありません。複合という意味)。
足首リリースとの複合です。
これでジンジンさせるわけですが、効果は実証済み。
ほぼ3年間、これのみでやっていた時期がありましたから。

でも足だけだと飽きてきますし、ツマラナイわけだ。
守備範囲も中々広がらないですし。

だからと言って、効果が劣っているというわけじゃないんです。
リフレにはリフレのリッパな存在意義がありましてね。
精密に行えば、ちゃんと反射効果で内臓が活性されますし、デトックス効果もあります。
さらにジンジン効果があれば鬼に金棒でしょ。

どんな療法にもそれなりに意義があるので、そうは簡単に他の療法を批判できないわけですよ。
(インチキは別ですよ)

(五)

ある施術者のブログを拝見したところ、その経歴に「リフレなるものを習ったことがある」的な表現がありました。

「リフレなるもの」というのはどこか見下したようなニュアンスがあって、酷く不快な気分になったものです。しかし気持ちは分からんでもないんです。

確かに巷に氾濫しているのは「リフレなるもの」かも知れません。
「リフレなるもの」で切って捨てたくなるような感情というのは小生もないわけではないのですよ。批判はしたくないのですが、いくらなんでも「なんちゃってリフレだなぁ」と思うこと度々ですもの。

しかし、施術者としての出発点がそこにあるのだとすれば、それは縁があったということでむしろ、大切にするというのが人間としての原点でしょう。
書くということは怖いことです。
小生も知らぬ間にある表現で人を傷つけているのかもしれません。

それはさておき、官有某氏の基本コンセプトは一面の真理をついております。
欠点を改良すれば良いだけです。
特に足裏デトックス理論は生かしておかなきゃいけない。
そしてジンジン効果も。

(六)

リフレの出発点はリラクゼーションではなく治療術であったということは明らかです。
(技法の是非はともかくとしてですよ)

勿論、日本の現行法において「治療」をうたうことはできません。
しかし、療法、療術としては民間資格ではありますけど認められているわけです。

ですから、リフレクソロジー療法でもリフレ療術でも問題ありません。
極端に走るのは何事もよろしくないのですが、リフレ=リラクゼーションという風潮には我慢できませんね。

リフレクソロジーの良いところは反射区というものが実体臓器で表されているということです。したがって、この実体臓器のことを勉強しなきゃいけない。

その臓器がどのような役目を負っているのか、その臓器がオカシクなるとどうなるのか?
基本的なことを頭に入れて施術しませんと、思いが伝わらないですね。

これは西洋医学で認められている働きだけではありません。
様々な考え方を学ぶ必要があるでしょう(東洋医学は当然ですけど)。
それを解剖、生理学のテキストを開いて勉強したところで、中々頭に入ってくるものではないわけです。

ところが、反射区というものを相手に施術するという行為の中では、俄然、現実味を帯び、興味も出てくる。
あれほど難しいと思っていた解剖生理が実に興味深く感じられてくるのです。
座学と実技が遊離しないでリンクしてくるというのがリフレの最大の長所かも知れません。

(七)

さて、ジンジン効果という題名から段々離れてきたので、話題を戻します。

ジンジン効果の作用機序はなんでしょうか?
おそらく単体ではないでしょう。
足もとからジンジンしているわけですから、絶えず神経反射が続いているという意味で自律神経反射機序があるとも考えられます。

また自分の身体での経験では、ゆっくりと足から上へ上がってくる感じもしますので、このスピードから考えると、期せずして経絡機序も働いているような気もします。

体液循環機序も働きますが、これは別にジンジンしてなくても働きますから、ジンジン特有なものではありません。

全息胚機序はどうかなぁ??
そもそも全息胚機序自体が別名、量子力学機序というくらいで、とても難しい概念です。
量子力学なんてピンと来ませんでしょ。
クォンタム・リフレクソロジーという表現がクッキー先生のブログで紹介されていたリンクページにありましたが、なんのことはない全息胚の高等な言い方です。
直訳すれば「量子力学的リフレクソロジー」
まあ、働いているかどうかはなんとも言えません。

ジンジン効果はジンジン機序とするしかないですかね。
どうも小生の場合はフネフネとかジンジンとか学問的香がしない名称が多いような・・・・

まあ、しょうもない技術をはったりかましてそれらしく体系化するよりは正直でいいのかも。

そういえば、フルフォード博士の著作の中で「生命力が活発に働いている頭蓋はあえて言うならジンジンする感じだ」(要旨)と触れたときに感じる様子を述べておりました。

その伝でいけば、生命力の発露そのものなのかもしれません。

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