リフレクソロジーの反射区-腎臓
腎臓の役目をごく簡単に言うと、血液をろ過し、老廃物を尿として外に出す。水分を再吸収して体液のバランスをとる。
まあ、これくらいの知識は常識ですから、当然、念頭にはあるでしょう。
腎機能が弱まると腎動脈、そして全身の血管を収縮させて血圧を上げる、というメカニズムを知っていると(あ~そうか、血圧の問題にも間接的に関与しているのか・・)と思うかもしれません。
血圧を上げる直接的なホルモンは腎臓で作られるレニンというのですが、ホルモンは「刺激するもの」という意味です。ということは何かに働きかけ、何かを生み出しているのかもしれません。
調べると、ある種のたんぱく質に働きかけアンギオテンシンという物質を生成することが分かります。
そしてこのアンギオテンシンという物質こそ、血管を収縮させる張本人だと知ることになります。すると、降圧剤の中にアンギオテンシン変換酵素阻害剤という種類のものがありますが、これは若しかすると、レニンに作用するのかも知れないな、と思います。
アンギオテンシン変換酵素阻害剤が本態性高血圧症のエースとして登場したことを知っていると、なんのことはない、やっぱり腎臓に働きかけているじゃないか!腎性高血圧と本態性高血圧の境目なんて、ホントのところ分からないじゃないか、と。
しかし、この薬、レニンを阻害しているということであれば、レニンは体液の電解質のバランスをとってもいるわけですから、長期連用して電解質バランスが崩れた状態で果たして健康が保たれるのだろうか?という疑問も湧いてきます。
また、検査レベルでは分からない腎機能の低下をさらに促進する結果にはならないだろうか?とも。
かくして、もしクライアントが高血圧で降圧剤を服用している方だったら、どのような薬を処方されているのか、という興味、興味というより、知る必要性が出てくるのです。
次回、その薬を持ってきてください、と言うかも知れません。
そしてホントにアンギオテンシン変換酵素阻害剤だったとしたら、体液バランスの問題がこの人の主要な問題だと、判断できるかもしれません。
リフレクソロジーの特徴の一つに体液バランスを整えるのが得意な療法だというのがあります。(体液振動を通じて反射を起こしているという説もあるくらいですから)
すると、このクライアントさんに薬物の使用をやめるようには言えませんが(医師法違反になります)、少なくとも、降圧剤による副作用を激減させる効果はあると、確信できるようになります。
そして、自信を持って施術することになるわけです。
自信のある施術は良い効果を生みます。
まさに知識は力なり!の好例でしょう。
さらに腎臓は活性ビタミンD3の生成に大きく関与しております。
このビタミンが骨粗鬆症の発現に関わっていることを知っていると、特に中年以降の女性に対する予防効果を意識することができます。
すでにおばあちゃんになった人に対しても、骨折予防効果を強く訴えることができるわけです。さらに骨折してしまった人に対しても、骨折を早く治す効果があると、確信して施術を行うことができます。
Tさんの奥さんが足を骨折した際にTさんは毎日一生懸命施術したそうです。
骨折のため、当初、片足しか出来なかったにも関わらず、平均よりもはるかに早く、しかも後遺症もほとんどなく完治させたのはこのようなメカニズムがあったからに他なりません。
知識は力なり!です。
またさらに、25歳をピークとするならば健康な人でも50年後(つまり75歳)には腎機能が半分にも落ちてしまいます。このことを知っていると、若いうちに腎臓を傷めるとどうなるか?くらいの想像が出来るわけで、腎臓を強く意識して施術することになるでしょう。
もしかして、その人の将来の腎臓から来る病を未然に防ぐことができるかもしれないのです。
またあるとき、腎臓に問題がある腎臓病予備群は全国に2000万人いるという雑誌の広告が目に留まったとします。
リフレクソロジストなら、目が釘付けになるに違いありません。
ある健康雑誌では500万人という数字でした。これでもかなりの数だと思うのですが、いつのまにか2000万人になってしまっている。
マスコミは何事も大げさにいうものだということを知っていたとしても、相当な数であることは分かります。
しかし、述べてきたように腎機能低下はなにも腎臓だけに現れるものじゃないと、知っていると(血圧、骨粗鬆症等)、決して大げさな数値ではないだろう、と推測できるのです。
そして、益々自分達のやっている仕事に意義を見出すことができるわけです。
以上、ほんの一例です。
知識は知識としてだけでは役に立ちません。
しかし、リフレクソロジーの場合は直ちに施術にリンクし、役立つわけです。
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