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魚の目から考えること

 魚の目は治りますか?という質問もまた困る質問の一つです。
 施術者よりもクライアントからの質問のほうが多いかもしれません。

 同じところを刺激され続けると、当然、皮膚は防御反応により硬くなって、角質化していきます。
 さらに、刺激を受け続けると、部分的にタコになってしまうでしょう。

 魚の目はタコ状態になったところで、陥没し、真皮以下へ入り込んでしまうわけで、前提に刺激を受け続ける部位だという環境がありますから、歩く度に痛い思いをする厄介なものです。
 タコや角質、そして魚の目が出来やすいところは大体共通していて、その大半が肺経、大腸経、胃経、三焦経、肝経、胆経につながる経穴上に現れるものが多いと言えるでしょうね。(古典経絡ではありませんけど)

 末端部は経絡の反応部位として本来、非常にデリケートです。ですから、これまた背景に内臓の歪みがあると、魚の目みたいなものが出来やすくなるわけです。

 もうすでに、出来てしまった場合、魚の目を刺激するのは得策ではありません。
 火に油を注ぐようなものです。
 ですから、足の施術で解決することはできません。お灸など刺激の種類が違うものなら、直接的に据えて、これを治すということは可能なようですが、先ほど申しましたように、足裏はデリケートなので、熱刺激は皮膚がんになる可能性もないわけではないのです。
 壮数(ドーゼ)などの問題がありますから、かなり熟達した灸師でないと安心して任せられないでしょう。

 安全に治していくには体質改善していくより他なくなりますね。手技において体質改善するには経絡的歪みを診て、それを正すわけですから、全身的な処置が必要な所以です。

 さて、これらのことを説明するとなると、とても難しい話になってしまいます。また理解してくれたところで、訴の解消に至るまでは時間がかかります。

 普段の足の環境にも配慮しなければなりません。クライアントとの協力関係がなければ、とても覚つくものではないわけです。

 それやこれやがあって、こういう質問にはとても困ってしまうのです。
 結論をいうと、治らないことはないけれど、治るまでは時間がかかるが宜しいか?と
逆質問をしなければならなくなります。

 どれくらいの期間で?という質問にはこれはなんともお答しようがありません。
足 の環境を含め、どういうライフスタイルなのか、四六時中見張っているわけではありませんからね。その人の歪みの深さやら、ライフスタイルやら、様々な問題が関与してきます。

 だからこういう質問が飛んでくると、(ふう~、さても困ったものだなぁ)とため息が出てしまうわけです。ただ、一つだけ良いことは、魚の目が出来た部位から、どの内臓(経絡)がその人にとっての弱点なのか簡単に類推することが出来るということです。

 それが分かれば、下肢も上肢も腹証も背中も重点にすべきところが決定されるので、施術の効率化ができますし、そういう反応が出ているかどうか、という施術者にとっての知的好奇心が刺激されます。ですから、魚の目が出来ているクライアントが嫌だというわけではありません。

 結局、水虫の記事と同じ結論になるのですが、背景に隠された目に見えない歪みを感知し得るかどうかが、この仕事の面白さになるわけです。
 それを直接手で触って確認していくことが出来るのが手技の大きな特徴と申せましょう。
 医学的興味もなく(東洋医学、西洋医学、ホリスティック医学を問わず)、人の身体に触るのは単なる肉体労働にしか過ぎません。

 かつて按摩、指圧が畳の上の土方仕事などと揶揄されたのは、肉体労働の側面しか見ていないからです。カイロでもオステでも、まあ経絡でもリフレでも良いのですが、その体系の中で反応系統を確かめ、ある確信を得らると、肉体的な疲れなどさしたるものではありません。

 そこまで知的好奇心が続くかどうか・・・・或いは自分を訓練していけるかどうか、これがこの仕事の重要な要素の一つでしょうね。

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