« がんもどき | トップページ | 痰飲湿邪 »

スパズム

スパズム・・・クッキー先生のブログにも登場しました。我々の間では「筋スパズム」などという言い方をして、頻繁にお目にかかる言葉です。

英語のスペルではspasm。汎用的な意味でひきつけ、痙攣、発作などと訳されます。ギリシャ語起源のラテン語由来の英単語だそうです。クッキー先生も書いています通り、汎用語としてはともかく、医学的な意味で統一された定義はありません。

小生、学者じゃありませんから、ある時は筋拘縮、ある時は神経伝達の阻害原因たる組織拘束、もっとくだけてコリみたいなもの。東洋医学的には実のコリ、場合によっては虚のコリ。などという風に理解しております。

このような理解でも実務上の問題はないので、特にこれを取り上げ授業を行ったことはありません。要はなんらかのブロックがあって、それが何らかの不都合を呼んでいるそこにある病変部ということじゃないでしょうか。関連痛を惹起させたり、可動制限を生じさせたりする軟部組織の不正常さを高等な言葉で表すと、このような表現方法を採ることになるのではないかと・・・

「肩甲挙筋に筋スパズムが発生して、肩甲骨の挙上が制限され、同時に筋膜を通じて頚部への関連痛を引き起こしているようです・・・」と述べるのと、「肩の筋肉がコッて肩が挙げづらいのですね、首の痛みも肩のコリから来ているようですよ」と述べるとでは、どちらがカッコいいかというと、自己満足的になら前者でしょう。

しかしクライアントはおそらくチンプンカンプンに違いありません。術者が説明する際は後者で行うのが普通です。
 
フルフォード博士は決して専門用語を使って説明することはなかったといいます。
これを持って知識不足というのは大きな間違いで、難しい概念を易しく述べるのは相当に深い知識が要求されます。

しかし、整体を勉強したばかりならいざ知らず、10年も経験してそのような概念及び事実がある、ということを単に知らないということもあり得ますから、話は面倒くさいわけです。

症状のあるところを揉めば良くなる!ばかりに何でもかんでも揉み潰す技法を行っていたのはれっきとした指圧・按摩・マッサージ師達であったわけです。
 
ましていわんや民間資格たる整体業に至っては、身体的におそろしいことをやって平然としていた歴史があります。
(今もあるかも知れません)

術者の信念が治療効果を左右する、というのは一つの真理ではあります。
なんの根拠もなく信念を持てる人は別の意味でアブナイ人ですから、これは別として、普通、信念を持つに至る知識と経験があるはず。
 
そういう意味で、様々な考え方や概念、或いは事実を学ぶのは大変有意義なことだと思いますね。
 
すると、言葉は違ってもある共通項を見出すことがあります。
 
共通項を見出せば、自信を深めることにつながり、よそ様の体系にケチをつけることもありません(余程理に適っていない場合は別ですけど)。

よく西洋手技法系の初心者達の議論を聞いていると、内輪だけで通用する専門用語が飛び交います。たまにその意味を聞く質問者がいると、そんなことも知らないのか、氏ね!という生意気な若僧がいるのですが、身体の不都合を表すのに、その分野では特異的な表現を用いて概念の共有を図っていることに気付いてないわけです。

同じことを別な体系では別な特異的な表現を用いることだってあるわけです。
私は細胞における原形質流動がゾル化できない状態に陥ったとき「実」と呼び、ゲル化できないでいる状態のとき「虚」と呼ぶ東洋的表現のほうがはるかに筋筋膜の不都合を表現するのに豊かなものだと思っています。豊かだとは思っていますが、この概念を説明するには煩雑過ぎますから、単に拘束と言い、ブロックというわけで、モノを知らないからで はありません。
 
この上、筋スパズムまで持ち出すと、またまた煩雑になり、どう違うの?という答えに窮する質問が出てくるに決まっていますから、あえて酒て、(もとい)避けているのです。

« がんもどき | トップページ | 痰飲湿邪 »

つぶやき」カテゴリの記事