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痰飲湿邪

痰飲湿邪=(たんいんしつじゃ)と読みます。中医学の独特の病態、というか概念。字を眺めていると、なんとなく意味が分かってくるのですから、漢字というのは便利ですね。

そう!水分代謝が悪くなって、滞留し、それが好ましくない症状を現出させている状態のことです。中国の漢方医(中医)が日本に来て驚くのは、中国人とは比較にならないくらい日本人はこの体質を持っている人が多いことだと言います。気候風土、食生活から来る国民的体質と言っても良いかもしれません。

身近な感覚でいうと浮腫み体質もこの範疇に入るでしょう。実際、施術をやっていますと、日本人に多いというのは本当のことだな、と痛感します。

施術の中間で休憩を取るのですが、その時にお手洗いに行きます。
さらに施術が全部終わった後でもお手洗いに行く方が大半です。
都合、2回行くというのが標準的なパターンですが、全体の割合でいうと8割は超えるのではないでしょうか。

余計な水分が排出されるという意味でデトックスになるわけですから、決してその現象そのものは悪いことではありません。しかし、そういうタイプが多いということは、とりもなおさず痰飲湿邪の体質を持っているということをはからずも証明することになって、様々な愁訴の原因になっている、もしくはなるであろうことを示しているわけです。

水分補給は非常に重要なことではありますが、それを吸収し順当な“流れ”に乗せることが出来る体質のほうがもっと重要です。

なぜなら、水分の滞留は体内の水分自体の劣化を招き、人によってはボウフラが湧いてしまうからです。
 
ボウフラは冗談にしても、老廃物も一緒に排出されず、全身老廃物の塊みたいな人になることは間違いありません。

自分が痰飲湿邪であるかどうかは、簡単に分かります。
述べたように施術中、施術後のトイレの回数が2回を超えるかどうか。
 
夏場は汗が出ますから、もう一つの基準、施術後、ウエスト回りが減少しているどうかでも分かります。
 
人によってはベルトの穴二つ分くらいウエストが締まるのですが、これは脂肪が燃えたからではありません。腹部の浮腫みが取れたからに他ならないのです。

足の浮腫みや顔の浮腫みは気付きやすいのですが、腹部の浮腫みはほとんど自覚がありません。こういったことも理解しながら、施術を受けると、楽しみが増えるのではないでしょうか。

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