反射区と経絡
踵(かかと)の荒れは脾経の問題であることが多く、踵が荒れているというだけで、7割~8割方脾経異常と判断して間違いないでしょう。
踵といえば反射区では生殖腺になります。
脾経は「子宮の反射区」を真ん中を通りますから、踵の荒れをみて生殖系に問題があるとご宣託するリフレクソロジストがいて、『ほら当たった!反射区理論は正しい!』ということにもなるのですが、違う可能性を考えてみても罰は当たらないでしょう。
古典経絡は手技法家にとってはほとんど意味の為さないものですが、少なくとも増永経絡は非常に興味深いヒントを与えてくれます。
ホントの踵の裏ということになると、これは心経になるのですが、古来より回春作用があるとされてきました。回春とはそのものズバリ性的能力なので、生殖器の反射区であることとは矛盾しません。
しかし何故、心経が来ているのか。
心経の心とは単に心臓のことをいうのではなく、まさにココロのことであって、心経異常は不安、ノイローゼ状態を招きます。
ノイローゼ(古い言葉)状態で性欲がある人はまずいないところから、その部分の解消によって自然に帰するという意味合いがあるのでしょう。
また心経と陰陽関係にある小腸経は「血」の運行に関係します。特に婦人の月経には深く関与します。
陰陽関係も考慮すると、機能系としての生殖腺への影響はもっともなことであると思うわけです。
反射区という全息胚的機序が働いたのか、経絡という機能系機序が働いた結果なのかを判断する、若しくは証明する手段を我々は持っていません。
だから誰にも断言できることではないので、提示というか、提案というレベルに留まるわけですが、少なくとも、反射区とは違う可能性を考えてみなければ、施術家として真摯とは言えないと思います。
台湾系、欧米系問わず、リフレ者が増永経絡を知っているはずもなく、それに触れたことさえないというのは、考える材料もなく、足の施術はそこで終わってしまう、という悲しい運命を辿ることになります。
別に悲しくはないぞ!という反論も聞こえますが、いずれ行き詰ります。
結局、人間を進歩させるのは好奇心ですから、好奇心がなければ、そこで終わり、と。
ただ、それだけの話で幸せか不幸であるかは関係ありません(それは違う次元の話ですから)
好奇心を持ってくれる人がリフレ業界にもっと増えてくれたら、私も随分助かる、と思うのですが、リフレの世界は何故かそういう人が少ないですね。
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