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甲状腺

 更年期障害の時期と甲状腺機能異常がたまたま重なると、誤診する確率が高くなります。

 自律神経系の症状ですから、症状だけでは見分けが付かないことになるのは当然。
 「更年期ですね」と医者から言われ、(それじゃしょうが無いわねぇ)と我慢しているうちに、どうにもこうにも収まらないほど症状がキツクなって、病院を転々としているうちに見つかると、そんなパターンが多いらしい。

 甲状腺機能からくる愁訴は意外に多く、特に女性に多いのは周知の事実でしょう。

 検査数値がハッキリ異常と出ない場合も、症状は個人差が大きいので結局、見逃しているケースも散見されます。

 要治療の場合はこれは病院で治療するしかないのです。
(手術を奨められていた方が足もみだけで治ったという例はありますけれども、普遍的に必ずそうなるかというと責任が持てませんし、これで治してやるから医者に行くな、というと医師法違反に問われますからね)

 東洋医学的な観点から言えば、甲状腺は肝経の支配が強く、たまたま、足裏では甲状腺の反射区が肝経になります。

 だから、反射区が効いたのか、経絡が効いたのかを立証することはできません。

 経絡とするならば、首に肝経が来ていますから、頚部の施術を重視すべきでしょうね。
 病変が進み過ぎている場合はいくらやっても難しいですから、体調を整えるという意味で行う態度が望ましいと思います。良い影響を必ず与えると確信していますけど。

 甲状腺の中でもバセドウ病は心包経の異常から来るケースが多く、心包経反応ゾーンである胸椎の7、8、9番あたりに変移があるか、カチコチに固まっている場合が多いもの。
 頚部の心包経は非常に処置しづらい位置にありますから、直接的にはちょっと無理かもしれません。その代わり、上肢(前腕&上腕)は施術しやすい部位を走行しております。

 それらを処置すると、完治はできなくとも、症状がずいぶん和らぎます。

 何でも治せるというわけではありませんが、手技は一般に考えられている以上に守備範囲が広く、可能性に満ちあふれているので試す価値は充分にあるわけです。

腎臓病

 ニュース情報だけなら、新聞など読まなくても大体のところはネットニュースで間に合いますね。

 新聞の良いところはコラムの連載とかがあって、シリーズものをちゃんと続けて読むと、最新の情報が手に入ったりするところです。

 どこの新聞でも必ず載っているのは健康コラムでしょうか。
 たまたま今、読売なんですが、それなりに力を入れているようで、助かっております。

 新聞は最新先端情報ですから、職業柄、参考になることが多く、また現在注目されている病態なども知ることができます。

 「股関節」シリーズがあったと思ったら、「内臓系」になったり、或いは「ウツ」などの精神科系を扱ったりと。
 いずれも興味深く読むのですが、ちょっと前まで「腎臓病」のことが取り上げられておりました。

 推計値ですから、様々な違った数値が出るのですが、この連載では1300万人が腎臓病の予備軍とされていました。(国民10人に1人!)
 尿検査だけでは分からず、血液検査すべきだと・・・・

 血中クレアチニン検査というものがあります。
 クレアチニンというのは簡単にいうと「老廃物」のことですが、これの血中濃度が高ければ、当然、腎臓の機能は低下してしていることになるわけで、そうなると、相当に養生が必要となりますね。

 最近、知り合いの知り合いが働き盛りで人工透析を受けるハメになったということを聞きました。人一倍よく働く人だったらしいのですが、一度指摘されているのも関わらず、無理を続けたのでしょう。

 この時期、確かにチンタラ仕事していたらリストラされてしまいますから、本人だけを責めるわけにはいきません。

 東洋医学では「腎虚」という病態があります。
 「腎虚」の概念は難しいんですけどね。また、手技でいう腎虚と漢方薬の世界でいう腎虚では微妙にズレがあります。

 「腎虚」は必ずしも腎臓が悪いというわけでもないのですが、かなり実体臓器の腎臓の状態を表していることも事実ではあります。

 漢方薬は専門外なのですが、私の乏しい知識によると、漢方の腹証では臍上が硬く、臍下の力が抜けているような人は「腎虚」の可能性が高く、方剤でいうと「八味丸」「八味地黄丸」が適用になる例だと・・・・

 手技でも「腎」反応ゾーンは臍下三寸ですから、まるきり漢方と違うというわけではありません。

 そして経験でいうと、臍上で硬く、臍下でガクンと力が抜けている人は確かに多いのです。10人に1人以上の確率でこういう方がいらっしゃいますね。
 そういう方は大概冷えもあったり未病状態であることは間違いありません。そして腎機能の低下の可能性も決して低くはないわけです。

 検査数値に現れる状態というのはかなり病勢が進んだ状態ですから、こういう未病の段階で医療機関は警告すべきあろうと思うのです。

 漢方の保険適応を廃止する場合じゃなくて、むしろ積極的に漢方的診断を奨励したほうが良いのではないでしょうか。

 なぜなら結果的には国全体の医療費削減に繋がるからです。
 人工透析にでもなったら、国が全額治療費を負担するわけでしょ(難病指定だから)。
 一説には患者一人につき年間600万円かかると言われているのですから。
 長期スパンでみれば絶対にこのほうが国に負担がかかりません。

 予算を削減しなければいけないのであれば、もっと中、長期の視点が必要かと思います。
 単に削るだけといのは結局、社会保障の負担が増えていくだけです。
 医療行政には戦略というかヴィジョンが必要ですね。

 腎臓病のコラムを読みながら、ツラツラとそんなことを考えておりました。

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