モートン足
「矛盾」の中国式発音はモートンだったような。
そしてモートン式リフレっていうのもどっかにありましたっけ?
モートンといえばモートン病で有名です(足先、趾先の痺れ)。Dr モートンという足病医の草分け的存在にちなんだ病名ですが、その病とは関係なくモートン足というのがあります。
これもDr モートンにちなんで名付けられているのですが、足の専門家であるリフレクソロジーの専門家でさえ、あまり耳にしたことがないでしょうね。
リフレの世界ではDr フィッツジェラルドの方がはるかに有名ですもんね。足病とリフレでは同じ足を扱うにしてもジャンルが全然違うわけでして、これはやむを得ない。
さてさて、モートン足とはどんな足ぞや?というと、第ニ中足骨の方が第一中足骨より長いという足骨の構造的ヘンテコリンさを指していう言葉です。
足指の長さじゃありませんよ。中足骨です、中足骨。
だから見かけ上、母趾が第二趾よりも長くとも中足骨は第二趾側、つまり、第二中足骨の方が長いということもありえますし。逆に、明らかに第二趾の方が長いのに、中足骨は母趾側が長く正常ということもあります。
したがって、趾の長さを比べてもモートン足かどうかはわかりません!
分かる方法は、まず足でゲンコツを作ります。そうすると、MP関節が浮き出ますので、この関節の位置を見るんですね。
母趾側(第一MP関節)が低い位置にあれば、モートン足の疑いが濃厚です。しかし、足の構造は複雑ですので、これだけでは決め手にならない。
そこで、母趾内側や足底上部に慢性的なタコ(角質が厚くなっている)があるかどうかをみます。さらに、第二趾と第三趾の水かきがえらく発達しているかどうかを確認して、いずれも該当するならば、モートン足と断定して間違いないでしょう。
もし、自分がモートン足なら皆に自慢しましょう!
「へへっ、モートン足だもんね!どうだ!」
冗談です。実際は自慢できません。
なぜなら、本来、体重の五分の四が母趾側にかかるところ、モートン足の人は第二中足骨側にも体重がかかってくるからです。
ということは足のアーチが潰れてきますし、歩行の仕方がおかしくなりますね。
(だから、不自然なタコが出来てくるんですけど)
足底内在筋も歪みまくりで、アスリートなら疲労骨折は避けられないところ。
その前に足の構造上、充分なパフォーマンスを得られませんので、才能があっても一流にはなれず、どこかで競技を断念しているでしょう。
一般の人も結構深刻でして、足から派生するところの不都合にいずれ悩まされます。
膝痛、股関節痛、腰痛・・・・・
でも生れつきの構造上の欠陥ですから、誰のせいでもありません。こういう人は足のケアーを他人さま以上に行っていかねばならないでしょう。とにかくカラダのトラブルが多くなりますから。足から上半身に行くことだって珍しいことじゃありません。
カラダのあっちこっち、フシブシが痛いって訴える人はかなり高い確率でモートンな足の持ち主でございまして、足がカラダに与える影響っていうのは、やっぱり大きいんだな、とシミジミ実感します。
因みに私もモートン足でして、半魚人のような水かきを持っています。
(そのクセ、カナヅチなんですから、なんという皮肉!)
モートン足は全人口の25%、つまり4人に1人の割合で存在します。
これは全人口に対する割合ですから、実際、身体のトラブルを抱えて来院する人達をピックアップして統計をとったら、25%以上の確率でしょう。場合によってが半分以上かもしれません。
足の施術家(リフレ者含み)は素足を診ることができますので、注意深く診て頂きたいと思います。典型的なモートン足と典型的な症状を目の当たりにし、ちょっとした感動すら覚えるかもしれませんよ。
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