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姿勢筋

 「姿勢筋」またの名を「抗重力筋」ともいうこの筋群は整体臨床的にはトラブルメーカーなのです。

 姿勢を保持するというのは、中々の重労働でありまして、ましてや下手に感情というものを持っていて、かつ二足歩行する人間様は、絶妙なタイミングで姿勢が乱れるものです。

 心の有り様によって姿勢って変わりますからね。

 逆に姿勢を正すことによって心をコントロールしようとした人間の作法の歴史みたいなものもあって、ここら辺を追求していくと、中篇の論文くらいにはなってしまうので、それについては触れないで置きます。

 さて、この姿勢筋の代表的なものを挙げると、前面にはお馴染みの「胸鎖乳突筋」「大胸筋」「腸腰筋」に「大腿直筋」等。背部には「僧帽筋」に「肩甲挙筋」「脊柱起立筋」「腰方形筋」「梨状筋」「ハムスト」等。

 勿論、運動に参加しないということじゃありません。主な仕事は重力に抗う、つまり姿勢を保持するということに重点を置いた筋群ということになるわけです。

 これらの筋群の特徴はもしトリガーポイントが出来て、それが活性化すると、離れた部位に関連痛を起こすってことでしょうか。

 ですから中々原因が掴めなくて、誤診しやすい筋群でもあります。

 頭痛の大半は僧帽筋が原因だし、耳なりや目眩の過半は胸鎖乳突筋の問題だし、坐骨神経痛様な痛みの相当部分は小殿筋が原因ですわね。

 要するに因果関係がよく分からない部位に症状が出てしまうので幻惑されてしまうんですね。古人はこれを経絡という発想で、突き止めたんですが、昔の人はなんというか、解剖学なんぞ知らなくとも、直感力が冴えていましたから、的確に問題の所在を掴むことが出来たわけで、現代人は知識量は増えても感が鈍っているので、かなり熱心に研究していかないと、臨床上手の施術家にはなれないと思います。

 幸いにして色々体系化してくれている先人達がいますので、律儀に勉強していれば、ソコソコ治せる施術家になれるし、それに経験が相まってきて、気がつくと名人級にもなっていたり、オーマイゴットハンドになっていたりもするから、“倦まず弛まず”の人が一番強いな、と思う昨今です。

 勉強の方向が間違っている人と挫折に弱い人はモノにはなりません。これはどんな世界でもそういえるのでしょうけど。

 それはさておき、これら姿勢筋群は、常に負荷がかかっていて休むことを知らないので、微妙な狂いから、歪むんですね。心の有り様が反映されやすいわけだから、ストレスに敏感に反応して収縮する筋群でもあるし。

 これら筋群を歪ませない方法はたった一つ。
 リラックス!リラックス!力まないで力を抜いて、平常心で、穏やかに、不安を覚えず、悩まず、人生を楽しむこと。

 まあ、これが一番難しいんだけどね。人間っていうのはどんな立場の人でも勝手に悩みを創出して、自分で自分を縛るものですから。

 それがあるから進歩向上があるといえばあるんですが、モノには限度というものがあって、いつも緊張している人やクヨクヨマンも大勢いますから、そういう人達の仲間入りをしないことですよ。変に楽観主義も困るけど、まあそこらへんは常識の範囲で。

 さて、今日は一番不得意なことをやらねば・・・IP電話が引かれたので、FAX電話機の設定など色々・・・をマニュアルと首っ引きで格闘です。

 マニュアルを読んでコツコツ理解し、設定していく作業なんて、スタッフKに任せっぱなしでしばらくやったことないもんな。

 考えただけで姿勢筋に歪みがきます。

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