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腰と呼吸

 呼吸の重要性は言わずもがなでしょう。

 整体臨床的にも呼吸が正しく行われているかどうかは、非常に重要な問題となります。

 呼吸を助けるのは当然ながら呼吸筋とか呼吸補助筋とか言われる筋群ですから、それらの筋群が凝っていたり歪んでいたりすれば、その人の抱える問題の所在を掴む手がかりとなるわけです。

 腰方形筋(ようほうけいきん)という横腰部の筋肉があります。抗重力筋(姿勢筋)の一つで、しばしば腰痛の元凶になる筋肉です。

 この筋肉、腰という漢字が使われておりますが、実は腰筋ではなく、腹筋の深層筋の一つ。あまりにも深部にあるため、腹部側からはもはや届くことはありません。腰の横からアプローチするしかないわけです。

 さて、この腰という漢字に惑わされると、この筋が呼吸補助筋であることを見落としてしまいますね。

 そう、実は腹筋である証明でもあるのですが、その一部は横隔膜に付着し、呼吸の維持に一役買っているのです。(これは普通のテキストには省略されていますけど)

 もしこれが凝り、短縮してしまいますと、横隔膜での呼吸運動が阻害されて、上手く呼吸が出来なくなります。また逆に呼吸器系疾患の持病を持っていると、この筋に影響を与え、負担をかけることにもなりかねません。

 そこで、臨床的には、喘息等の呼吸器疾患を持っていて、なおかつ腰痛もしくは坐骨神経痛様の痛みを抱えている人の疑うべき筋のトップリストに入ってくるのです。

 この筋が歪むと殿部筋のうち小殿筋や中殿筋に影響をあたえますから、益々、腰痛や坐骨神経痛やらの症状が深くなっていきます。

 で、このことは逆にも言えることで、先に臀部筋のダメージがあっても腰方形筋に影響を与え、呼吸器に影響を与えます。

 臀部筋に先にダメージが来る場合というのは、股関節異常からもきますし、臀部への皮下注射の失敗からもきます。
 そして何よりもモートン足からダメージされてしまいます。

  少しく経験のある術者なら、腰を揉むと呼吸が楽になるという現象を知っているかと思いますが、それは以上のような理由があるからに他なりません。

 この筋をダイレクトに攻めますと、かなり痛いので普通は起立筋を通して、痛気持ち良い程度から始めねばなりません。

そこから解して徐々に腰方形筋を緩めていけば不快感なく、腰方形筋の機能は回復されていくでしょう。

 フルフォード博士がいうように、正しい呼吸は長命の秘訣であることは間違いありませんから、定期的にこの筋のケアーをしていけば無用かつ不必要な病気は防げるはずです。

 誰もが見落としがちな、呼吸補助筋としての腰方形筋。
 隠れた機能に目を向け、臨床に生かすことが肝要かと思う次第です。

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