久しぶりの五十肩
久しぶりに五十肩のクライアントさんが来院されました。
腕を挙げようとすると痛いと訴えておりました。
痛みで寝られないとか、じっとしていても痛みがある、というわけではないので重症ではありません。
しかし、不用意に挙げてしまうと激痛が走るため、不便だと言います。
腕を挙げなければ、痛みがないので、つい忘れて挙げるのですが、実はこのこと自体が悪化させる原因となります。
最初はこんなところから始まり、下手すると痛みのため目が覚めてしまう・・・さらに悪化すると、もはや寝ることさえ容易ではなくなり、さらに悪化すると、目覚めてジッとしていても脂汗が出るほど痛む・・・ということになりかねません。
小生が嫌というほど経験しましたからね。
ここに至るとホントに辛い・・・しかも鎮痛剤がほとんど効かないのです。
逃れようのない!誤魔化しようのない!痛みで瞬間瞬間苦しめられるのですから、それがどれほどのものであるか想像して頂くしかのないのですが、幸いにして、今回のクライアントさんはそこまで悪化してはいません。
一度そうなってからのほうが施術の有難味が分かると思いますし、健康の有難さも身に染みると思うのですが、まあ、施術のタイミングもご縁でございますから、全力を尽くすことはいうまでもありません。
五十肩の施術はすでにパターン化されていますので、一度覚え込むと難しいものではありません。
昔、五十肩のクライアントさんが不得意で不得意で、出来れば来てほしくないと思っていたのがウソみたいにストレスのない施術ができます。
ローテーターカフ群、日本語では回旋筋腱板という四つの筋肉が原因であることが多いわけですが、時には首の斜角筋が主因の場合もあります。
ま、いずれにしても施術のパターン化が容易なので、手薬煉(てぐすね)を引いて待っているという症例になります。
今回で2回目だったのですが、一回目が終わった直後、さほど変化がないらしく(これは非常に珍しいことです)、『ブロック注射が効くと友人から聞いたんですが、それをやってもらって方がいいでしょうか?』などとのたまうわけです。
ブログに書いてしまいますと、証拠が残りますから、どう答えたかは書きません。
2回目、案の定、翌日以降沈静化されて、挙げるときの痛みが少し残る程度にまで回復しておりました。
放っておけば絶対に悪化するタイプの症例でしたから、これでも施術の目的は達したことになると思いますよ。
面白いのはこういう経過の人もいますし、施術直後、相当に楽になって、翌日以降に痛みが激しくなるというタイプの人もいるわけで、事前にこの区別が中々つかないんです。
施術自体は何度も言いますが、難しくありません。しかしこのようなことがあるため、カウンセリングがちょっと面倒くさいんですよね。
いずれにしても、どの流儀でも難儀する五十肩への方法論が確立されているということは施術家として実に幸運なことと申せましょう。
ネットでググってみても五十肩ほど的外れな施術法を一様に採っている症例は珍しいと思います。(かつては小生もあまり他流儀のことを言えた義理ではありませんでしたけど)
ということは不要な痛みを不必要な期間、執拗に感じ続けねばならないということですから、日本国全体でみると一年間の経済換算損失は相当なものでしょう。
自分達ができることで国にも貢献しているわけです。