心と体

胸骨反射と心(しん)

この場合の心(しん)というのは東洋医学における”心”であって、心臓のことも含むけれども、文字通り”こころ”のことをいいます。

腹証においては水月(みぞおち辺り)が反応点なることはご存知のとおり。

水月の上には胸骨があって、ここは感情の座とも呼ばれているところです。

精神的な緊張や不安、恐れなどがその人に深く根ざしている場合にこの胸骨が緊張し拘束されるわけです。

胸骨にはある種の微細な振動があって、その微細運動がストップしてしまうことを“拘束”と呼ぶわけですが、ほぼ例外なく、心に問題を抱えている人やかつて強い感情的なショックを受けた人は“拘束”されています。

ばかりか、我が三水会の長老がいうには、旦那が浮気している奥さんに乳がんが多いと述べていましたが、胸骨から乳腺へのリンパ管が多数走行していることから考えて、あながち間違いではないと思うわけです。

直接的肉体的な被害は女性でガン体質であれば乳がんということになりますし、男性であれば、肺がんもしくは心臓病ということになるようです(もちろん、ライフスタイルの問題が非常に大きいのですけれども)。

さて、この胸骨の微細運動を回復させるのも重要な施術の要件にはなりますが、微細運動は強い刺激には逆に反応しないという特長があります。

弱い刺激によってのみ反応するというのはある意味、物理学の法則を超えているわけですが、これが命と無生物の違いなのでしょう。

しかし、実務上、胸骨に触れるだけの施術というのがクライアントの納得を得られるものではありません。
(一体何やってんだ?)と思われたら、その時点で効果がなくなりますから、余計に実効しづらい施術方法ですね。

東洋医学的なアプローチが優れていると思うのは、胸骨に直接コンタクトして、触れるだけという手段を取るのではなく、その下の水月部分にアプローチをかけるということではないかなと思っているわけです。

ここなら、胸骨ほどバストに近いわけではありませんし、ある程度の力を込めても間接的でありますから、胸骨の微細運動の促進こそすれ、阻害することがありません。

さらに陰陽関係で小腸反応ゾーンを施術すれば、より完璧に胸骨の微細運動回復に役立つわけです。

腹証を上手にされると、極めて気持ちが良いのは、ある種の感情の解放を伴うからです。

小生も初めて腹証をされたとき、スッと心が軽くなった気がしたものですが、それは気のせいではなく、実際に胸骨の微細運動が回復し、感情の解放が起きたからなのでしょう。

そういう意味で、腹証の意義はもっともっと知られて良いと思いますし、もっともっと使い手が増えてほしい手技の一つだと思う次第です。

自律神経と首コリ

その人はもう30年以上、睡眠導入剤と安定剤を服用し続けています。
もともと、昼夜逆転の生活を長く送り、自律神経失調気味であったものが、40歳くらいを境に更年期と相まって益々酷くなり、ついに数ヶ月間の入院生活を送ったこともあります。

私も様々な人を診てきましたが、この人ほど眠剤と安定剤に依存している人は珍しいでしょうね。

たった一日でも、薬が切れてしまうと、不安感がこみ上げ、就寝どころではなくなります。
あるとき、風邪で体調を崩し、かかりつけの神経科に行くことができませんでした。

つまり、薬が切れてしまったのです。

さあ、そうなると、風邪の症状もさることながら、眠ることもできず、大変に辛い。
そこで、眠剤を服用している友人から、一日分だけ分けてもらいその薬を服用したそうなのです。

その眠剤を服用したあと、お風呂に入ったのですが、そこで意識を失いました。
(眠剤の種類が違ったらしい・・・なんと無謀な)

ご主人が帰ってくるのがもう少し遅れたら、お風呂の中で溺死していたかもしれません。

湯船で意識を失っている妻を見たご主人はさぞびっくりしたことでしょう。

起こすと、朦朧としながらもなんとか風呂から出て、布団で休んだらしいのですが、それから約3日間、寝たきりとなり、その間の記憶が全くないといいます。

少し落ち着いてから、ご主人から電話があり「・・・そんな事情なんだが、診てやってくれないか?」とのこと。

小生にもある施術のヒントが思い浮かびましたから、快く承諾した次第。

実際、診てみると、予想はドンピシャ。

そう表題にあるように、首コリです。

自律神経系の症状の方は首に酷いコリを持っていることが多いもの。

その人は度を越しており、左右にほんのわずかでも振ることができません。

カラーをあてたように全く首が動かないのです。

しかもあきらかに呂律が回っていないようです。

まあ、そんなことで、重点にすべき部位が分かりましたので、早速、施術。

当然ながら、首の硬いこと。

どうしたら、こんな硬いコリが生じるのだろう?と思うくらいです。

首が左右に回らない場合、普通は肩甲挙筋のセントラルトリガーが原因です。
ここに出来ている頑固なコリが首の回旋を困難にしているケースが非常に多いわけ。

当然、その部位についても入念な操作が必要ではあるでしょう。

しかし、その人の回旋困難症状は肩甲挙筋がメインであるわけではなく、ここに至っては頸筋全部の硬化と考えるべきです。

実際、手から伝わってくる感覚でも分かります。

手に触れる頸筋すべてを緩めるべく、かと言ってムキにもならず、静かに、優しく、深く・・いつもの通り緩め、トリガーに触れ、施術を進めていきました。

うつ伏せ、横向き、仰向け。
すべてのポジションで首を緩めていくのは明生館流の真骨頂です。

もちろん、首だけの施術では長持ちしませんから、全身的にもやりました。

小一時間ほどの施術のあと、回旋不能であった首が左右45度づつ、計90度まで回復しました。

すると、虚ろだった目に光が戻り、口調がはっきりしてきたのが誰の目にも分かるほどの改善を見せたわけです。

薬の常用がそのような首の状態を招いたのか、そのような首の状態だから、薬を服用し続けねばならない症状が出てきたものなのかまでは分かりません。

しかし、一つだけ言えるのは首の症状と自律神経症状や、場合によって神経内科領域や心療内科領域の病と密接にリンクしているということです。

ここに盲点があるということは再三に渡って述べているのですが、正式な医療では全く耳を貸そうとはしません。

今しばらく、我々が主体となって、このような症状の方のお力になるしかないようです。

しかし、神経内科や心療内科領域の一部まで整体適応である、とどのように知らせるかが問題ですね。

ネットなどで地道に情報を発信していくしかないでしょう。

龍乃湯温泉(たつのゆおんせん)

 いつだったかに書いた記憶があるんですが、内容を思い出せません。かといって調べる元気もなし。

 書いた本人が忘れているくらいですから、古くからの読者だってきっと記憶にないと勝手に思って書き始めているわけです。

 さて、この温泉、専門的には「単純鉄冷鉱泉」というカテゴリーにはいる温泉です。

 名前がそのまんまの性格を表しています。

 鉄分が含まれた単味の成分で、もともとの源泉は冷たいものだ、と。
 (まあ、なんて分かりやすいんでしょ!)

 冷たいが故に沸かしている温泉で、かつ成分が鉄しかないもんねぇ!というとなんか安っぽい温泉に聞こえますけれども、これが中々侮れないない・・・・

 ボクの自宅の裏手にあって、ずいぶん昔に入ったわけ。湯あたりしましたも。後にも先にも温泉で湯あたりした経験はコレッキリですから。

 単味であるが故に強いお湯になるんですね。色なんて見事なもんですよ。赤茶色(錆色)で、こんな温泉見たことねぇや、と思いました。これも心理的効果は抜群でしょうなぁ。

 地元ではそれなりに有名ですから、まさに日帰り入浴で湯治客が多く来ています。

 その効能をネットで見てみると、五十肩・・・・
 おお!五十肩!五十肩やんけ!
 他にも効能がいっぱいあるのですが、もう五十肩しか目に入らなくなりました。

 昔は五十肩なんて別世界の住人の言葉で、その意味さえよく分かんなかったなぁ、う~ん、やっぱ歳は取るもんだ・・・と感慨に浸りましたね。

 あの強力なお湯が、ヒタヒタとボクの肩を癒し、治していく様を想像すると、居ても立ってもいられず、速攻で温泉へ直行!

 徒歩5分の長旅も、入浴料五百円の出費もなんのその!
 思い立った10分後には温泉に浸かっている亜美之介でした。

 いや驚きましたなぁ。入ってきっかり10秒後に痛みがなくなりました。
 これはラグーンでデッドシーバス(死海風呂)に入って以来の経験です。
 不思議、不思議・・・・あらら肩が動く・・・可動域が明らかに広がりました。

 しかし、ここで調子に乗って長風呂していたら、また湯あたりしかねません。5分くらい入って(またそれくらいしか入れません。中温風呂は熱くはないのですが、強い湯としか言いようがなく長風呂できないんです)涼むわけです。
 涼んでいるうちにまた肩が痛み出します。そしてまた風呂へ・・・するとまた痛みが消える・・・

 そうか・・・なるほど・・・湯治とはこうした忍耐強さというか、粘り強さが必要な療法なんだなぁ、と再認識しましたね。薬でチャッチャじゃないわけだ。ノンビリとゆっくり期間をかけているうちに本人の抱える根本的な自律神経系の乱れなども治っていくのでしょう。湯治とはこういうもんなんだなぁ~と自分の身体で理解するのはまた格別に勉強になります。

 3時間くらいいましたかね。浸かっては涼み、浸かっては涼み・・・

 さすがにその晩は楽でしたなぁ。温泉効果で爆睡・・・・すっかり睡眠不足に陥っておりましたが、ここで取り戻したような感じでした。

 こりゃ中々良いですよ。

 ボクのクライアントは皆、この温泉に浸からせた後、施術しようかな・・・近くだし。

 施術の効果も温泉効果も倍加するでしょうなぁ。

以上の記事を書いてまもなく、私の五十肩はある事情で悪化し続け、遂に温泉効果さえ見込めない状況に陥りました。
まあ、それそれで、今ではすっかり解決したのですからそのことには触れません。

ともかく、ここの温泉は不思議ですよ。
あれから内地から幾人も私の関係人らがやってきまして、ここに案内しましたので、その方々は分かるでしょう。

高温風呂は普通の人では絶対入れません。そこで中温風呂に入ることになるのですが、これが43度くらいです。まあ、中温とはいえ熱い風呂のカテゴリーにはなるでしょうね。

しかし、体感温度はどう考えてもそれよりも熱いのです。

ピリピリした熱さ・・・痛いんですね。
辛子温泉か!みたいな感じ。

ですから、いきなりザブンとはいるのではなく、少しづつ慣らして入ります。

そのうち慣れてきてすっかり入ることができるのですが、お勧めの入り方は半身浴で長めに入るということ。
すると他の温泉では味わうことの出来ない芯からの暖まりを感じます。

風呂から上がってしばらくしても、仙骨や背骨からポッポッポと暖かさを放散しています。
これがこの温泉の特徴です。根強いファンがいるのが分かりますね。

是非、体感してもらいたいな。

口内炎

口内炎は経絡的に言えば粘膜の三焦、消化器系の脾・胃が絡むことに異論はないでしょう。

西洋医学的に言えばビタミンCの不足だということにも異論はないはず。

さて、最近、口内炎に悩まされておりました。
最 後に口内炎になったのはいつのことだか、覚えていないくらい昔の話ですが、なんだって今の時期、口内炎かなぁ?と頭を捻ることしきりだったんです。

ビタミンCを破壊しまくる喫煙(ヘビースモーカー時代)時でさえ、口内炎に縁などなかったのに。

真っ先に思い浮かんだのは、日本茶を飲む機会が激減した、ということでしょうか。

日本茶はビタミンCが多く含まり、喫煙の害を減らしてくれるといわれております。
そういう理由で日本茶を飲んでいたわけではありませんが、それが期せずして喫煙対策の一助になっていたのでしょう。
(本能的に飲みたかったのかなぁ?)

最近は日本茶を飲みたい、という衝動がなくなりました。前と何が違うかというと、喫煙習慣がなくなっているわけで、はやり、前は本能的に喫煙の害を少しで減らそうとした身体の欲求だったのかもしれません。

それはさておき、最近、食事の量がかなり減り、さらに肉体の酷使が続いておりました。
ストレスも当然ながらありまして、よく考えてみればビタミンやらミネラルの消費に補給が追いついてない状態だったかなと。

身体というのはある意味有難いですね。このような万全とはいえないコンディションを口内炎という具体的な症状で知らせてくれる。

当然ながら、日本茶も一日一回は飲むようにし、気をつけてビタミン、ミネラルを摂るように心がけておりましたら、いつのまにやら、口内炎は消えておりました。

 ※口内炎にはアロエが特効的な効果があると教えてくれた方がいます。また、ビワの葉を煎じたものを塗ると素早く治るとか。市販の薬ではチョコラBBが効果テキメンだそうな。
ハブ茶も良いとのこと。色々情報有難うございます。

禁煙中の小悪魔と大悪魔

 禁煙16日目に以下のようなブログを書いていたんですね。読み返してみると、なかなか面白いし、かつ現在禁煙中orこれから禁煙に挑戦する予定の方には参考なるかもしれませんので、この記事は削除することなく残しておきます。

禁煙16日目。

さすがに2週間以上経つと、ニコチンの小悪魔的囁きを撃退するコツが分かってきました。

この小悪魔、どういう時に出てくるかというと、何か集中していてそれがフト途切れたときなんかに出てきますね。例えば、こういう原稿を書いていて、(ふ~む、なんて書こうかな?)と思ったときや、ご飯を食べたすぐあと、テレビCMのとき・・・・

囁いてきますね~(ほらっ!タバコが吸いたくなったでしょ!、吸えば!吸っちゃえば!)
この囁きに負けると永久に禁煙が出来ないわけですよ。

でも、考えてみれば、明らかに小悪魔で、如何にも悪い企みを告げているわけです。
害になる考えであること明白ですから、敵だっていうのが一目瞭然!

これを退けるのはまだ楽なほうです。
(それでも初期の頃はこの小悪魔でさえにも負けますからね、だからなかなか禁煙が上手くいかんのですよ)

まあ2週間も経てば、小悪魔だけに大した策はないようです。バカの一つ覚えみたいに(吸えば!吸っちゃえば!)でしょ。

(いや~だよ、吸わないもんね。そんな単純な誘惑には乗らないよ~)と簡単に反撃はできます。
(ちょっと我慢すりゃ吸いたくなくなるしね~顔洗って出直して来いや!)くらいの反撃は容易。

ところが小悪魔じゃ手に負えないと分かると大悪魔が出てきます。

デビルからサタンにバトンタッチです。もともとサタンというのはルシファーという元天使ですから、悪魔、悪魔してないんですよね。

チンピラは如何にもチンピラだけれども、本物のヤクザの幹部は紳士に見えたりするじゃないですか。サタンはもっとタチが悪い。

親切心で近づいてきます。
(タバコ我慢すると、かえって心臓に良くないよ、一日5本くらいなら、全然影響ないから、
大丈夫だから!トラスト・ミー、アタシを信じて!)ってどっかの総理大臣みたいこというんです。

たまたまタバコ吸ってないのに狭心症発作が起きたりなんかするとね、これがまた説得力があるのです。
(あんたのいうようにタバコ我慢するのが良くないのかなぁ~一日、5本くらいならかえっていいのかな??)

このサタンは強力。シュガーみたいに甘い。ホテルニュー大谷のクリスマスケーキみたいに美味しい。
若し、手元にタバコがあったら間違いなく負けますね。
ところがこういうときの為に全部処分してるわけですよ、ライターも灰皿も全部!
(贈答された高価なライターもあったんです。好意を無にするような罪悪感があったけれども全部処分しました。非常事態だから許してくれると思います)

本気でタバコを吸おうと思っても、コンビニに走り、タバコを買い、なおライターまで買うという労力が必要でしょう。そのときにフト我にかえるわけだ。
(ちょっと待てよ~、一回吸ったら、5本でおさまるわけないじゃん!もとのヘヴィーに戻るに決まってるじゃない!)

ここでサタンの罠を見破る事が出来るんですね。

一本吸えば元の木阿弥!一本=四十本!
これでなんとか負けないで済みます。

相変わらず小悪魔は耳元で囁いていますけど、もうほとんど無視できる程度の存在なんです。問題はサタンですね。今後どう出るか?

怖くもあり、興味深くもあるんですけど。

それにしてもサタンは策を弄してしてきます。


以上の記事を書いたのが一年四ヶ月前。
現在もタバコは吸っていません。
もう小悪魔なんてどこにもいません。
一生、タバコとは無縁でいられるなぁ、と自信を持っていたら、突然、吸いたい気持ちが起きてきます。これには驚きますよ。全く前ぶれなしで、突然吸いたくなるんですから。
ニコチンでさえこうなんですからね。
もっと強力な依存性のある薬物なら推して知るべしですね。
最初から手を出さないのが一番良い。

腎臓病

 ニュース情報だけなら、新聞など読まなくても大体のところはネットニュースで間に合いますね。

 新聞の良いところはコラムの連載とかがあって、シリーズものをちゃんと続けて読むと、最新の情報が手に入ったりするところです。

 どこの新聞でも必ず載っているのは健康コラムでしょうか。
 たまたま今、読売なんですが、それなりに力を入れているようで、助かっております。

 新聞は最新先端情報ですから、職業柄、参考になることが多く、また現在注目されている病態なども知ることができます。

 「股関節」シリーズがあったと思ったら、「内臓系」になったり、或いは「ウツ」などの精神科系を扱ったりと。
 いずれも興味深く読むのですが、ちょっと前まで「腎臓病」のことが取り上げられておりました。

 推計値ですから、様々な違った数値が出るのですが、この連載では1300万人が腎臓病の予備軍とされていました。(国民10人に1人!)
 尿検査だけでは分からず、血液検査すべきだと・・・・

 血中クレアチニン検査というものがあります。
 クレアチニンというのは簡単にいうと「老廃物」のことですが、これの血中濃度が高ければ、当然、腎臓の機能は低下してしていることになるわけで、そうなると、相当に養生が必要となりますね。

 最近、知り合いの知り合いが働き盛りで人工透析を受けるハメになったということを聞きました。人一倍よく働く人だったらしいのですが、一度指摘されているのも関わらず、無理を続けたのでしょう。

 この時期、確かにチンタラ仕事していたらリストラされてしまいますから、本人だけを責めるわけにはいきません。

 東洋医学では「腎虚」という病態があります。
 「腎虚」の概念は難しいんですけどね。また、手技でいう腎虚と漢方薬の世界でいう腎虚では微妙にズレがあります。

 「腎虚」は必ずしも腎臓が悪いというわけでもないのですが、かなり実体臓器の腎臓の状態を表していることも事実ではあります。

 漢方薬は専門外なのですが、私の乏しい知識によると、漢方の腹証では臍上が硬く、臍下の力が抜けているような人は「腎虚」の可能性が高く、方剤でいうと「八味丸」「八味地黄丸」が適用になる例だと・・・・

 手技でも「腎」反応ゾーンは臍下三寸ですから、まるきり漢方と違うというわけではありません。

 そして経験でいうと、臍上で硬く、臍下でガクンと力が抜けている人は確かに多いのです。10人に1人以上の確率でこういう方がいらっしゃいますね。
 そういう方は大概冷えもあったり未病状態であることは間違いありません。そして腎機能の低下の可能性も決して低くはないわけです。

 検査数値に現れる状態というのはかなり病勢が進んだ状態ですから、こういう未病の段階で医療機関は警告すべきあろうと思うのです。

 漢方の保険適応を廃止する場合じゃなくて、むしろ積極的に漢方的診断を奨励したほうが良いのではないでしょうか。

 なぜなら結果的には国全体の医療費削減に繋がるからです。
 人工透析にでもなったら、国が全額治療費を負担するわけでしょ(難病指定だから)。
 一説には患者一人につき年間600万円かかると言われているのですから。
 長期スパンでみれば絶対にこのほうが国に負担がかかりません。

 予算を削減しなければいけないのであれば、もっと中、長期の視点が必要かと思います。
 単に削るだけといのは結局、社会保障の負担が増えていくだけです。
 医療行政には戦略というかヴィジョンが必要ですね。

 腎臓病のコラムを読みながら、ツラツラとそんなことを考えておりました。

自分で首を鳴らしてはいけない理由

 あるサイトを見ていたら、「よくお客様から自分で首を鳴らす癖があるのですが、止めたほうがいいですか?という質問がある」とありました。

 それに対してその整体師(?)は「ボクは別に良いと思う」と答えているわけ。根拠を全く示さず。???なんだコイツは・・・・どうも足揉み系の人らしい。

 勿論、否定する整体師も多いのですが、構造医学ぽい受け売りが多くて、正しい理由とは言えないなぁ、と思うこと度々。中々、ちゃんとした理由が書かれているサイトに行き当たりませんので、私が書くことにしました。

 東洋医学では虚実補瀉という言葉があります。虚に対しては補法(按法)、実に対しては瀉法(摩法)。これは基本中の基本になるのですが、関節を鳴らす行為というのは上手くやれば一瞬で硬結が消失し、フラットになるわけですから、これは分類から言えば、瀉法中の瀉法と言えます。

 さて、自分で鳴らす場合、鳴らす部位の関節にテコを入れることができません。そうすると、鳴りやすいところが鳴るわけだ。
 首というのはそもそも関節が鳴りやすいところなのですが、その中でも鳴りやすい部位に集中して鳴ることになります。
 するとどうなるか?
 何度も繰り返していると、その部分は虚してきます。つまりグラグラになってくる。すると益々鳴りやすくなってきます。そして調子に乗ってドンドン鳴らしていく・・・・すると益々、虚してグラグラになっていく。

 虚せば、それを補うため、実する部分が出てきます。つまり、代償作用により、硬くなる部分が出てくるということになります。
 普通、トップストーンと言われる3番4番あたりがグラついてきますので、下部頚椎か、上部頚椎が硬く可動性がなくなり、実にアンバランスな首になってしまうわけ。
 要は緩み過ぎると、必ず身体は代償作用が働き、かた~い部分を作っていくということなわけです。こうなると将来が見えてます(首が原因で大きな病気を呼ぶでしょうね)

 カイロプラクターなりオステオパスは鳴りやすいところを鳴らすわけではなく、必要性があるところを探して操作しているわけですね。つまり診断が伴っています。この診断に基づいて、鳴らしたくないところを鳴らさず、ブロックされている部分を鳴らすということになる。

 これは結構高度な技術で、素人にできるものではありません。だから、自分で鳴らすのとプロがやるのとでは、音が鳴るという意味では似ていますが、本質が全然違う、似て非なるものだと思って頂ければ良いのではないかなと。東洋的にいうと虚実補瀉をちゃんと考えていると・・・・そういうことになるわけ。

 スラストorアジャストは治療行為であって健康法じゃないわけですから、自分で自分の首を鳴らすのは必要もないのにステロイドか抗生剤を使っているようなものだと思います。

 これのどこが「ボクは別に良いと思う」になるのか・・・・不思議でしょうがない。

曲鬢(きょくびん)

コメカミから耳の方向へ斜め下、耳の上端から顔へ数センチ寄ったところにこのツボがあります。言葉では説明しづらいので、ツボ表を持っている方はご確認くださいませ。微妙な凹みがあるので分かりやすいと思います。

血管拡張性の頭痛に、マッサージ等は禁忌かと思いますが、この曲鬢は唯一かもしれません、拡張性の頭痛に効くツボとしては。血管拡張を抑制する効果があるのでしょう。
他にも三叉神経痛をやわらげたりもするツボとして有名です。

祖母が血管拡張性頭痛(おそらく)発作に襲われたとき、この回りをねじり鉢巻でギチギチに締め付けていたという話は前にしました。

血管を締め付け、血流量を減少させたという直接効果もあったのでしょうが、このツボの効果もあったに違いありません。あまりにも激しい発作なら効果は限定的だとは思いますが、初期的な症状にはかなりの効果が見込めます。

基本的にツボというのは急所ですから、なんともないのにいきなり強圧するとかえって頭痛が起きたりしますから気をつけてください。中々ツボの扱いは難しいのですよ。そこにあるツボを押せばいいというものではないのです。

明生館が中高年のオアシスと言われる所以は、年齢とともにそこここにツボが現れてくるからに他なりません。急所から「要所」になる年代というのがあるのです。痛いだけだったものが心地よさに変わってくるわけです。

そんなとこ!そんなに効いたっけ?!などという体験をお持ちの方もいらっしゃると思います。中々若いうちは分からない感覚なのですが、いずれ誰でもそうなりますから・・・残念なことに。

何が気持ち良いって、要所のツボを押されたときのイタ気持ち良さを超える気持ち良さは世の中にないって、あるクライアントさんが言ってました。ああ、それ分かるなぁ、と思う方、おめでとうございます、年齢に関わらず、リッパな中高年です。

頭痛

「頭痛の種が増えた・・・・」と表現されるように、心配事、イライラ、それに伴う筋緊張が原因であることを端的に表しています。

特に後頭部の頭痛を訴える人が多いのですが、そのほとんどが後頭神経痛といって、首のコリから来るものです。

後頭部を直接揉むと、一時的に緩和されますが、首の問題を放っておいているのでしたら、あとでかえって症状が増悪されてしまいます。

首の問題を処理し、首と繋がっている肩、肩甲骨の問題を処理すれば、後の増悪は防ぐことができます。

処理の仕方は流派によって違いますから、ここでは言及しませんが、どの方法論を取るにしても、ある程度の熟練がないと、スッキリした状態にはなりません。

私事で恐縮ですが、私の祖母が酷い頭痛持ちでございました。定期的に頭痛発作が来ていたようですから、群発性でもあったようです。

頭痛の発作が起きると、マメ絞り(日本手ぬぐい)でギチギチに頭鉢を締め付けるのです。 これで少し楽になるようでしたから、血管拡張性の頭痛でもあったのでしょう。

祖母があるとき述懐していたのですが、若い頃、馬から落ちて、背骨が曲がってしまったと言っていましたから、根本の原因はそれかも知れません。背骨の変移と共に、頭蓋の歪みもあったのでしょうね。

なにせ子供の頃ですから、何も出来ず、ただ見ているより他なかったわけで、今なら完治とまでは行かなくとも、楽にしてあげることはできるのに・・・、と思うわけです。

案外、無意識レベルで、祖母のこのような頭痛発作が今の仕事を選んだ伏線になっているのかもしれません。

指をポキポキ鳴らす癖

指をポキポキ鳴らす癖のある人は結構多いものです。指だけに限らず、首や腰まで鳴らす癖をもっている人さえおりますが、皆さんの回りにもいらっしゃるのではないでしょうか。或いは自分自身かも。

造船工学でいうところのキャビテーション・エロージョンという現象によって、関節や関節の包む膜などが肥厚し、動きづらくなると言われております。
 
要は衝撃波によって関節及び関節周辺組織がダメージされるので、やめたほうが良いよ、というアドバイスが一般的であるわけです。

自分で鳴らすというのはこれはもう癖で、際限なくやってしまうことになるので、このアドバイスはおそらく正解でしょう。

ではどれくらいの頻度でどれくらいの年月鳴らし続けると、どの程度の関節ダメージがあるのか?
 
実はこの研究はほとんどなくて、確かなところが分からないのが実状です。
こんなのは統計を取るのは至難の技ですから、当然といえば当然でしょうな。

個人差があるということを前提に、ある人がその癖を持っていて、鳴らし続けた結果のレントゲン写真を見たことがありますので、コメントしたいと思います。
(あくまで個人差があるということを忘れないでください)

その方60歳の男性。
20歳のときから、つまり40年間、左手の小指を鳴らし続けていました。
一日の頻度は数十回。(本人数えてないので大体それくらいという印象しかない)
 
仮に20回とすれば、20回×365日×40年=292000回
約30万回だ。
 
小指は見事に変形し肥厚著しく、可動制限が甚だしいものになりました。
レントゲン写真でも素人が診て、分かるくらいの変形があるわけ。

ただ、おや!と思うのは小指以外にも薬指を鳴らす癖があったらしいのですが、こちらは一日数回の頻度だったらしい。薬指の変形は全くなし。自覚症状もなし、レントゲン所見も異常なし。

この人の関節(指)耐性は一日数十回で40年間では異常が起こるけれども、一日数回なら40年鳴らしても異常が起きないということになります。これが全部の人に当てはまるわけではないですし、他の要因もあるかもしれません。
しかし意外に関節耐性はあるものだなぁ、と逆に感心しましたね。

何度も言いますが、個人差がありますから、これをもって一日数回程度なら鳴らしていても大丈夫だ、と判断しないでほしいのですよ。
 
癖というのは際限がなくなりますから、やっぱり自分で鳴らす癖は止めたほうが良いという一般論に与する立場は変わりません。

関節を鳴らすのは専門家に任せた方が無難です。
(指を鳴らす専門家なんていないか・・・・・・)

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